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米女子高生の3割「自殺検討」 若年層、心の健康が悪化

(更新)

【ワシントン=赤木俊介】米国で若者のメンタルヘルスが深刻な問題となっている。米疾病対策センター(CDC)が13日発表した報告によると、2021年には30%の女子高校生が「真剣に自殺を検討した」と回答した。全体では42%の高校生が「継続的に悲しみや絶望を感じた」と回答し、CDCは「早急な対策が必要だ」とした。

最新調査は21年秋季に実施し、全米の高校生1万3677人を対象に心の健康状態について聞いた。報告はこの結果に加え、11年からのデータと傾向もまとめた。

過去10年間で米高校生によるリスクの高い性行動や薬物の使用、いじめは減ったものの「身の安全を心配し、学校へ行かなかった」と答える学生が増加傾向にある。特に21年は「性行為を強いられた経験がある」「性的暴行を受けたことがある」と回答した女子学生が目立って増えた。

女子学生は男子学生と比べ、飲酒の割合も多かった。21年調査で「過去30日間に飲酒した」と答えた女子学生は全体の27%にのぼり、男子学生の19%を大きく上回った。全体では飲酒する高校生は過去10年間で減少傾向にあるが、最近は女子の割合が増えている。11年は男子と女子の割合がほぼ同じだった。

性的少数者(LGBTQ)のメンタルヘルスも大きく悪化している。21年には7割近くの性的少数者の学生が「継続的に悲しみや絶望を感じた」と回答し、2割以上が自殺を試みた。性的少数者の学生のうち、52%が「メンタルヘルスの悪化」を報告した。同学生のうち、45%が「真剣に自殺を検討した」と答えた。全体では22%だった。

自殺のリスクは特に若者の間で高い。米CDCによると、20年時点で10〜14歳の米国人のうち2番目に多い死因は自殺だった。15〜24歳の間では3番目に多かった。米国立衛生研究所(NIH)の調べでは、20年には18〜25歳の米成人の11.3%が自殺を検討したという。

CDCは報告で「学校でのつながり」を強化する必要があると指摘した。性的あるいは人種的なマイノリティー(少数派)へのハラスメントを軽減するためのプログラムや精神保健サービスが欠かせないとも勧告。新型コロナウイルス禍で人と人とのつながりが薄れた影響が大きく、こうした関係を再構築する必要があると説明している。

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