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ゴールドマン純利益14倍 4~6月、M&A最高水準

(更新)
ゴールドマンの純利益は前年同期比14倍に=ロイター

【ニューヨーク=宮本岳則】米金融大手ゴールドマン・サックスが13日発表した2021年4~6月期決算は、純利益が54億8600万ドル(約6030億円)となり、前年同期の14倍に増えた。

デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は同日の決算説明会でM&A(合併・買収)など投資銀行部門の仕掛かり案件は過去最高水準にあると明かす一方、企業の競争を促す米大統領令の影響を注視する考えを示した。

売上高に相当する純営業収益は153億ドルで前年同期に比べて16%増えた。投資銀行部門では新規株式公開(IPO)に加え、M&A(合併・買収)助言業務も伸びた。米通信大手AT&T傘下のメディア事業と同業ディスカバリーの統合や、投資ファンド連合による医療用品メドライン・インダストリーズ株取得などに関与した。

資産運用部門も好調だった。21年4~6月期の純営業収益は51億ドルとなり、前年同期比2倍強となった。資産価格の上昇で保有株の含み益が膨らんだほか、未上場株投資では売却益も発生した。オンライン銀行やクレジットカードを手がける消費者&富裕層部門も同28%増となった。

トレーディング部門は振るわなかった。純営業収益は同32%減の49億ドルにとどまった。前年は新型コロナウイルスの感染拡大や、米連邦準備理事会(FRB)の政策変更を受けて相場のボラティリティー(変動率)が上昇し、投資家の売買が活発だった。経済の先行き不透明感が薄れてきたことから、取引量も平時に戻り、ゴールドマンの収益機会も減った。

ゴールドマンは20年、マレーシア政府系ファンド「1MDB」の汚職を巡って、マレーシア政府に対して39億ドルの罰金を支払った。関連費用は20年4~6月期決算に計上しており、21年の利益の伸びは実態以上に大きくなっている。

収益をけん引したM&Aは世界で活況だ。調査会社リフィニティブによると21年1~6月期に発表のM&Aは総額で2兆8000億ドルとなり、半期で過去最高だった。ゴールドマンのソロモンCEOは「将来的に何らかの混乱や経済の減速があれば(M&Aを)低迷させるだろうが、その可能性は低い」と述べた。

けん引役は投資ファンドだ。ソロモンCEOは「エコシステムに膨大なドライパウダー(買収待機資金)がある」と指摘した。年金基金や保険会社など長期投資家が低金利による運用難で、未公開株やインフラ投資に資金を振り向けている。事業会社もデジタル化対応でM&Aを活用しようとしている。

バイデン大統領は7月、企業の競争を促進する大統領令に署名した。大手企業による利益独占を認めず、消費者や労働者を守る狙いがある。ソロモンCEOは「政権の野心的なアイデアが盛り込まれている」と指摘したうえで、反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)執行機関による実際の運用を注視したいと話した。

大統領令にはM&Aの審査を厳しくする方針が盛り込まれた。ソロモンCEOは「大規模なハイテク企業の統合など特定の取引には影響がでる」との見方を示した。一方で現時点では「規制の影響よりも、M&Aによって競争力を高めたいという企業の意欲のほうが上回っている」と強調した。

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