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JPモルガン、7~9月24%増益 経済改善で引当金取り崩し

(更新)

【ニューヨーク=大島有美子】米銀大手JPモルガン・チェースが13日発表した2021年7~9月期決算は純利益が前年同期比24%増の116億ドル(約1兆3200億円)だった。米経済の見通しが改善し、融資の焦げ付きに備えて積んでいた貸倒引当金を戻し入れたことが純利益を押し上げた。米個人消費の底堅さを裏付けた決算となったが、カネ余りで企業の資金需要は鈍く、持続性が課題となる。

事業会社の売上高にあたる純営業収益は同1%増の296億ドルだった。伸びが大きかったのは投資銀行部門と、富裕層向けの資産管理部門だ。企業のM&A(合併・買収)や新規株式公開(IPO)の動きが活発で手数料収入が増え、投資銀行業務の収入は45%増えた。富裕層向け部門は資産管理手数料などが好調で21%増えた。

市場部門は5%の減収だった。株式の取引は活発で収入を30%伸ばしたものの、債券は好調だった前年より20%減った。法人部門は決済手数料の増加が寄与し、10%収入を増やした。

7~9月期は貸倒引当金を21億ドルを戻し入れた。内訳は企業向け融資で12億ドル、個人向けカードローンで9億ドルだ。貸倒損失と合計した不良債権処理費用(信用コスト)の減少で15億ドル利益を押し上げた。債権が回収不能と判断した分を計上する貸倒損失は、1年前と比べ半分に減った。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「米経済は新型コロナウイルスのデルタ型や供給制約が足かせとなったが、良い成長をみせた。経済見通しも引き続き改善している」との認識を示した。

景気の先行きに強気な姿勢を維持する根拠となっているのが、個人消費の底堅さだ。クレジットカードやデビットカードの利用高はコロナ前の19年7~9月期と比べて24%増えた。カードローンの不良債権比率は1.39%となり、前年同期より1.5ポイント以上下げた。最高財務責任者(CFO)のジェレミー・バーナム氏はアナリスト向け説明会で「消費者の信用力は極めて健全な状態を維持している」と述べた。

米国の9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.4%上昇した。ダイモン氏は「次の四半期とその次も、4%を下回ることはないだろう」と述べ、今後半年にわたって物価上昇率が高止まりするとの見方を示した。ただ「1年後には供給制約も解消し、パンデミック(世界的大流行)がエピデミック(局所的大流行)になるだろう」として、米景気の先行きを明るくみる。

課題は主要な銀行業務である融資が足踏みしている点だ。特に社債発行など市場での直接調達が容易になっている法人の資金需要は鈍く、法人部門の平均貸出残高は前年同期比で7%、前四半期比で1%それぞれ減少した。一方で、平均預金残高は前年同期比21%、前四半期で4%増加した。

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