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トランプ氏弾劾、共和に同調の動き 米下院で採決へ

(更新)
トランプ米大統領は民主党から連邦議会占拠事件を扇動したとして弾劾決議案を提出された=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米議会下院は13日、連邦議会占拠事件を扇動した責任を問うとしてトランプ大統領の弾劾決議案を採決する。過半数を占める民主党の賛成で可決される公算が大きい。共和党内にも同調する動きがあり、バイデン次期政権への移行を控えて政局は緊迫してきた。

弾劾決議案が可決されれば史上4回目。トランプ氏にとっては2回目で、2回の弾劾訴追を受ける大統領は初めて。

「弾劾はとてつもない怒りを招く」。トランプ氏は12日、再び暴動がおきるとも受け取れるような発言で弾劾の動きをけん制した。「人々は私が話した内容は極めて適切だったと考えている」とも語り、支持者に議事堂に行くよう促した発言と占拠事件の関連を否定した。

下院は12日深夜、合衆国憲法修正25条に基づいてトランプ氏の罷免をペンス副大統領に求める決議案を民主などの賛成多数で可決した。共和は1人が賛成に回った。ただペンス氏は罷免を拒否する方針を明らかにしており、同条項による罷免は実現しない。

これを受けて下院は13日に弾劾決議案を採決する。トランプ氏が対ウクライナ外交を悪用して大統領選を有利に進めようとした「ウクライナ疑惑」を巡って下院が2019年12月にトランプ氏の弾劾訴追を決議した際は共和議員の造反はゼロで、民主の賛成多数で可決した。

今回はすでに共和から4人が造反する方針を表明している。「米大統領が暴徒をあおって呼び寄せ、攻撃の炎に火をつけた」。共和の下院ナンバー3のリズ・チェイニー議員は声明でこうトランプ氏を批判した。同議員はブッシュ政権(第43代)で副大統領を務めたチェイニー元副大統領の娘だ。米メディアは造反規模が10人以上にのぼるとの見方を伝えている。

米紙ニューヨーク・タイムズは12日、共和の上院トップ、マコネル院内総務がトランプ氏の言動は弾劾に相当すると考えていると周辺に語ったと報じた。共和党からトランプ氏を追放しやすくなるため、民主党が弾劾に動いたことに満足しているとも述べたとされる。

トランプ氏は「反エスタブリッシュメント(支配層)」を掲げ、自由貿易など共和の伝統的な政策と距離を置く。このため党主流派は同氏とは政策的に相いれない立場にあったが、強固な支持者を抱えるトランプ氏と敵対するのは次の議会中間選挙へのリスクとなる。

米新興メディアVoxの世論調査によると、議会占拠事件でトランプ氏に「責任がある」と答えた割合は共和党支持者で32%にとどまる。「責任はない」の59%を大きく下回り、むしろ民主党に「責任がある」と答えた共和支持者は61%にのぼった。

6日の大統領選の結果承認でも、共和から上下両院あわせて140人超の議員がトランプ氏に同調して異議を唱えた。「共和内でトランプ氏に同調する大衆迎合勢力と、主流派の断絶はかつてなく深い」。政治アナリストのウイット・アイレス氏はこう分析する。

党執行部は下院議員に反対するよう指示はしておらず、個別の判断を容認する構えをみせる。弾劾決議案の採決で共和議員がどれだけ賛成に回るかは、選挙のために異端の大統領を受け入れてきた共和党の「トランプ離れ」をはかるリトマス試験紙になる。

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