米政府高官、対中半導体規制「日本やオランダと協議」

【ワシントン=飛田臨太郎】米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は12日の記者会見で、同盟国に導入を求めている先端半導体の対中輸出規制について「日本やオランダ、その他の国々と話し合いをしてきた」と述べた。「同盟国との連携は優先事項であり、努力している」と強調した。
バイデン米政権は10月から先端半導体の技術や製造装置、関連人材について、中国との取引を事実上、禁じた。同盟国にも足並みをそろえるよう要請し、特に製造装置に強みを持つ日本とオランダを最優先に交渉している。米産業界がビジネス環境が不利になったと訴えているためだ。
レモンド商務長官は日本の西村康稔経済産業相と8日に電話で協議した。閣僚間で直接、追随するよう求めたとみられる。レモンド氏は12月6日の米紙のインタビューで「同盟国が協調してくれると確信している」と言及した。「国家安全保障上の利益が一致しているからだ」と説明した。
米国の半導体規制の目的は安全保障にある。先端半導体の優劣は「極超音速ミサイル」や精密誘導兵器など最新軍事品の開発競争に直結する。軍事面で中国より優位な状況を維持する狙いがある。
バイデン政権は北米で生産した電気自動車(EV)を優遇する措置について同盟国の批判を受けて、修正すると表明した。欧州各国や日本、韓国の政府は「自動車メーカーが自国から北米に生産拠点を移す動きが出る」と反発していた。米政府はEVでは歩み寄り、対中半導体規制では理解を求める。

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