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米、西部主要港を無休で稼働へ 供給網混乱で官民連携

【ワシントン=鳳山太成】サプライチェーン(供給網)の世界的な混乱が広がるなか、バイデン米政権は官民で連携して対策を強化する。中国などから輸入品を受け入れる西部の港を無休で稼働させるほか、物流や小売りの大手企業に荷物の迅速な運送を促す。供給制約で品不足やインフレ継続の懸念が高まっており、対応を急ぐ。

バイデン大統領が13日、西部カリフォルニア州の港や労働組合、ウォルマートやターゲットなど小売り大手、フェデックスなど物流大手の幹部を招いて協議する。協議後に一連の対策を発表する。

ロサンゼルス港は24時間・休日なしの運営に切り替える。夜間や週末もフル稼働し、荷物を運び出せる時間を増やす。ロングビーチ港では既に同様の運営を始めている。ロサンゼルスとロングビーチの両港で、米国に運ばれるコンテナの4割をさばいている。2港は米国の「海の玄関口」だ。

カリフォルニアの2港では、荷物が滞留する時間も減らす。フェデックスは貨物列車の利用拡大などで、港から夜間に運び出す荷物の量を2倍に増やす。ウォルマートは夜間の港の利用時間を最大5割引き上げる。

ホワイトハウスはフェデックスなど6社の協力で、夜間に運び出すコンテナを週3500個増やせると期待する。米政府高官は12日、記者団に「政府が企業間の仲介役となる。供給網に連なる企業すべてが同じように取り組めば最も効果的だ」と強調した。

バイデン政権は今回の取り組みとは別に、世界的に不足する半導体の需給改善にも取り組んでいる。

対策を強化する背景には新型コロナウイルスの流行による物流の混乱がある。カリフォルニアの2港では今年初め、作業員が一斉に休んだ。家電や玩具、家具、衣料品の主要生産地である中国やベトナムでも港が一時休止するなど輸出の動きが滞っている。

個人消費の中心がサービスからモノに移ったことで輸送需要も高まった。全米小売業協会の推計によると、9月の米主要港の輸入量は前年同月比6.7%増えた。カリフォルニアの2港に入るために待つ船は約75隻と1カ月前の3倍に上る。

米貿易統計によると、1~8月のモノの輸入は1兆8460億ドル(約210兆円)と前年同期を23%上回る。最大の輸入相手国である中国は21%増えた。トランプ前政権時代から大部分の製品に制裁関税を課しているが、輸入の勢いは衰えない。

今回の対策だけで供給制約が解消するわけではない。ホワイトハウスの協議には労働組合も参加して協力する姿勢だが、物流や小売りの人手不足は著しい。輸入先の中国では電力が不足しており、モノの生産と供給が一段と滞るリスクも抱える。

政権が対策を急ぐのは国民が不満を募らせているからだ。米キニピアック大学が6日発表した世論調査で「米経済が良好」と答えた人は29%と5月の38%から下がった。年末商戦でインフレや品不足が続けば、野党・共和党からも批判が高まるのは必至だ。

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