米デルタ航空7~9月、純利益43%減 コスト増響く

【ニューヨーク=弓真名】米航空大手のデルタ航空が13日発表した2022年7~9月期の決算は、純利益が前年同期比43%減の6億9500万ドル(約1000億円)だった。売上高は約140億ドルと53%増えたものの、燃料価格や人件費の増加が利益を圧迫した。
売上高の内訳を見ると、夏の旅行需要が回復したことを受け国内線が81億5000万ドルと42%増えた。国際線は大西洋路線が約23億ドルと3倍に増えた。欧州各国が渡航規制を緩和したことで需要が高まった。デルタ航空は「韓国とオーストラリアでも需要が堅調だ。日本もこれから増えるだろう」と太平洋路線の回復に期待を示した。
旅客需要が堅調な一方、インフレの進行や人件費の高騰など経営環境は厳しい。燃料費は1ガロンあたり3.57ドルと前年同期比で8割増え、人件費を含む運用コストも125億ドルと8割増えた。1株利益は予想の1.53ドルに対し、1.51ドルと下回った。
米航空各社は高まる旅客需要に対応するため、新型コロナウイルス禍で削減した人員の再雇用を進めるが人手不足は解消していない。キャンセルや遅延を解消するため人材育成を急ぐが、エド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は決算説明会でパイロット不足について「完全に回復するのは早くても24~25年になる」と話した。
10~12月期の見通しについては「法人需要は新型コロナ拡大前の9割近くまで回復するだろう」と述べた。
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