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「ニュース対価」巡り米公聴会 対IT大手の団体交渉焦点

最後の日刊紙を印刷する印刷所(2020年12月、米ユタ州)=AP

【ニューヨーク=清水石珠実】米議会下院で12日、報道機関に対して、情報技術(IT)大手との「団体交渉」を一時的に認める法案を巡って公聴会が開かれた。新聞業界団体やジャーナリスト労働組合の代表、地方テレビ局の経営者などが証言し、報道機関側の交渉力強化につながる同法案を支持するように求めた。

法案は、新聞やテレビなどの報道機関を4年間独占禁止法の適用から外し、ネット広告収入の分配などについてIT大手と合同で交渉できるようにする内容だ。デジタル広告市場ではフェイスブックとグーグルの2社が過半のシェアを握る。ネットを通じてニュースを流しても、広告収入が両社に流れることが地方紙などローカル報道の弱体化につながっているとの指摘がある。

約2000の米報道機関が加盟する業界団体「ニュースメディア連合(NMA)」のデビッド・シャーバン代表は公聴会で、「偽情報への対抗策として、ローカル報道は重要だ」と述べ、地方メディアの弱体化が不正確な情報がまん延しやすい環境を作っていると指摘した。また、団体交渉の許可に加え、記事への対価を決める交渉などの場でIT大手が誠意をもって対応しているかどうかを監視する仕組みを作ることも要請した。

米国ではこの15年間に米地方紙の約4分の1に当たる2100紙が廃刊になった。地元に報道機関のない地域が拡大していることに懸念を示し、参加議員からは法案を支持する声が上がった。一方で、独禁法を緩めることに対しては、共和党議員を中心に「一部のメディアの力がさらに強くなるだけではないか」との懸念も出た。

IT大手からはマイクロソフトのブラッド・スミス社長が公聴会に参加し、法案に賛成する意向を示した。グーグルとフェイスブックからの証言者はなかった。グーグルは事前に書簡を提出し、「グーグルはこの20年間、報道業界と緊密に連携し、デジタル時代にあった質の高いジャーナリズムの実現に多額の支援を行ってきた」と述べた。

オーストラリア連邦議会は2月下旬、ネット大手が表示するニュース記事の利用料に対して、報道機関への支払いを義務付ける法案を可決した。世界的にネット大手に対してニュース記事掲載に相応の対価を求める動きが強まっている。

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