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米FTC、民主党委員が多数派に 巨大IT規制を実行へ

(更新)

【ワシントン=鳳山太成】米連邦取引委員会(FTC)が巨大IT(情報技術)企業への規制強化に乗り出す。与党・民主党系の委員が多数派になることが決まった。M&A(合併・買収)の審査を厳しくするほか、米アマゾン・ドット・コムへの提訴に踏み切る可能性もある。

空席となっていたFTC委員に、バイデン大統領が指名したプライバシー保護の専門家アルバロ・ベドヤ氏が就く。議会上院が11日、人事を承認した。ようやく委員5人のうち3人が民主党系になる。

多数派を握る意味は大きい。反トラスト法(独占禁止法)を所管するほか、消費者保護を担うFTCは企業の提訴や規制の変更を投票で決める。産業界に近い野党・共和党の反対を押し切って、左派色の濃い政策を進められるようになる。

FTCはアマゾンについて反トラスト法違反がないか調査してきた。既に提訴したメタ(旧フェイスブック)に続き、アマゾンとも法廷闘争に発展する可能性がある。

M&Aの審査も厳しくする構えだ。民主党は大企業による新興企業の買収などに神経をとがらせており、FTCは司法省と共同で審査指針の見直しを進める。グーグルなどM&Aを駆使して事業領域を広げてきた企業は経営戦略の見直しを迫られる。

バイデン氏は2021年9月、ベドヤ氏をFTC委員に指名したが、議会の承認が遅れていた。同氏は顔認証技術に人権や性別の偏りが生じていると問題視し、IT企業も批判してきた。プライバシー保護の観点からも企業への視線が厳しくなる。

米スタンフォード大学のダグラス・メラメド教授は「FTCは民主党の急進左派の意向に沿って、労働者や中小企業を保護する名目で(大企業を)提訴していく可能性がある。非常に活動的なFTCになりそうだ」と指摘する。

政権の狙い通りに進むかは見通せない。全米商工会議所は「FTCが企業に戦争を仕掛けている」と主張し、法廷闘争も含めて対抗する構えだ。保守的な裁判所がFTCの急進的な法執行に待ったをかける可能性もある。

バイデン政権は巨大ITに批判的な新進気鋭の法律家リナ・カーン氏をFTC委員に指名した。21年6月に委員長に就いた同氏は規制強化に意欲を示してきたが、与野党の委員数が2対2で拮抗する期間が長かったため、独自色の強い政策をまだ打ち出せていなかった。

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