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子供へのワクチン、親にためらい 米で積極派3割止まり

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米ノースカロライナ州で3月、治験のためワクチン接種を受ける9歳の少女=デュークヘルス提供・AP

【ニューヨーク=山内菜穂子】子どもへの新型コロナウイルスワクチンの接種開始を急ぐ米国で、保護者のためらいが浮き彫りになっている。民間調査によると子どもにすぐに接種させると答えた割合は3割にとどまった。集団免疫の達成には子どもの接種が欠かせず、保護者の不安払拭が課題となる。

「パンデミックとの闘いでもう一つの大きな前進になる。12~15歳へのワクチン接種は安全で効果的、簡単、迅速、そして無料だ」。バイデン米大統領は12日、子どもたちの積極的な接種を呼びかけた。

米製薬大手ファイザーと独ビオンテックのワクチンについて、米国で12~15歳への接種が13日にも始まる。ファイザーは2~11歳の接種についても、9月に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する計画だ。

子どもへの接種が目前に迫るなか、一部の保護者にワクチンへの懸念が広がっている。米カイザー・ファミリー財団(KFF)が6日に発表した最新の調査では「すぐに接種させる」と答えた保護者の割合は29%にとどまった。「しばらく様子見する」との回答は32%で最も多かった。「学校が義務づければ接種させる」は15%、「絶対接種させない」は19%にのぼった。

子どもへの接種では「学校が義務化すれば接種させる」という考えの保護者も多い=AP

自身が接種を終えるなどワクチンに前向きな保護者に限っても、不安やためらいが見て取れる。「すぐに接種させる」と答えた割合は48%だった一方「様子見する」は29%だった。「学校が義務づければ接種させる」は12%、「絶対に接種させない」は4%だった。

南部バージニア州に住む15歳と12歳の子どもを持つ女性(49)も接種させるかどうか決めかねているという。女性自身は11日に2回目の接種を終えたが、子どもについては「将来にわたって体にどんな影響が出るかわからないので心配になる」と話す。

子どもの感染者数は全体の感染者数と同様に減少傾向にあるが、その減り方は緩やかになっている。米小児科学会によると、4月29日から5月6日までの子どもの新規感染者数は約7万2000人で、全感染者数の24%を占めた。昨年の同時期には約3%だった。ワクチン接種の進展による他の年代の感染者数の減少や、学校再開の影響があるとみられている。

ウイルスの流行が収まる集団免疫の獲得には、全人口の7割以上の接種が必要とされる。米疾病対策センター(CDC)によると、11日時点で少なくとも1回ワクチンを接種した人は全人口の46%、2回接種した人は35%に達した。米国勢調査局によると18歳未満の人口は全体の約2割を占める。集団免疫の達成には子どもの接種が進むかどうかがポイントになる。

ニューヨーク州では12日、駅でのワクチン接種が始まった=ロイター

1日あたりの接種ペースも減速している。CDCの調査では11日の接種回数(7日移動平均)は約219万回と、ピークだった4月13日に比べて35%減った。連邦政府や各州はワクチン促進に躍起で、東部ニューヨーク州は12日から同市内のグランドセントラル駅など8カ所の地下鉄の駅にワクチンの接種会場を設けた。接種した人には無料の乗車券を配る。

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