破綻のシリコンバレー銀行、米当局が競争入札　米報道

【ニューヨーク=大島有美子】米ブルームバーグ通信は12日、10日に経営破綻し米連邦預金保険公社（FDIC）の管理下に入った米銀シリコンバレーバンク（SVB）の売却に向けた競争入札をFDICが始めたと報じた。米東部時間12日午後（日本時間13日午前）に最終入札を予定するという。預金保険対象外の預金支払いにSVBの売却資金をあてるため、FDICは迅速な売却先の選定を模索している。

入札情報は非公開で、落札者が判明するのは12日夜遅くになりそうだ。取引が成立しない可能性もある。会社ごとの売却に加え、事業売却も模索している。

米連邦準備理事会（FRB）によると、22年末時点でSVBの総資産は2090億ドル（約28兆円）で全米16位。1750億ドルの預金があるが、大口の法人預金が多く、預金の約9割は25万ドルまでとする預金保護の対象外となっている。

米カリフォルニア州当局の資料によると、9日だけで420億ドルの預金が引き出され、同日の営業終了時点で、9億5800万ドルの現金不足に陥っていた。FDICが管財人として、資産売却の手続きを進めている。今後は預金者にどの程度返還されるかが焦点となる。