Uber、北米で燃油サーチャージ導入 ガソリン高受け

【シリコンバレー=白石武志】米ウーバーテクノロジーズは11日、ガソリン価格の上昇をサービス料金に反映させる燃油サーチャージ制度を16日から米国とカナダで導入すると発表した。ロシアのウクライナ侵攻を発端とするガソリン価格の急騰を受けた一時的な措置で、ライドシェアと料理宅配の両サービスが対象となる。
サーチャージの金額は平均移動距離とガソリン価格の上昇率に基づいて設定する。地域によって異なり、ライドシェアの場合は1回の利用ごとに0.45ドル(約52円)または0.55ドル。料理宅配「イーツ」は1回の注文ごとに0.35または0.45ドルになるという。
利用者から集めたサーチャージは全額、ガソリン代を負担している運転手らに還元する。制度は今後約2カ月間維持し、その後のガソリン価格の状況に応じて見直す。運転手らの最低収入の定めなどがあるニューヨーク市内については制度の対象外とした。
ロシアのウクライナ侵攻を契機に原油の供給不安が世界的に高まり、米国では3月に入ってガソリン価格が約14年ぶりに史上最高値を更新した。全米自動車協会(AAA)によると11日時点の全米平均のガソリン価格は1ガロン(約4リットル)当たり4.331ドルと前日に比べ0.3%上昇し、最高値を更新した。
バイデン米政権は8日、経済制裁の一環としてロシア産原油の輸入禁止措置を発表した。英国も原油の輸入を段階的に減らし、年末までに停止すると発表した。世界生産の1割を占めるロシアからの原油供給が滞ることでガソリン高が一段と進む恐れがあり、輸送費の上昇を通じて幅広い物価高を招く懸念が強まっている。
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