カナダ、メキシコの投資環境を懸念 首脳会談で協議

【メキシコシティ=清水孝輔】カナダのトルドー首相は11日、メキシコのロペスオブラドール大統領と会談し、経済協力について協議した。カナダ政府は国営企業を優遇するメキシコのエネルギー政策に反対し、同国の投資環境に対する懸念を示してきた。首脳会談では両国が対立解消に向けて対話を続ける方針を確認した。
ロペスオブラドール氏は11日、「エネルギー業界で事業を運営する(カナダの)企業について話し合った。我々は経済協力をめぐる課題や立場の違いを解決しようとしている」と述べた。ロペスオブラドール氏はトルドー氏に対し、メキシコで事業を手掛けるカナダ企業と対話すると伝えた。
メキシコでは2021年に電力産業で国営企業を優遇する法改正が成立した。カナダ政府は22年、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に反すると主張して協議を求めた。トルドー氏は11日、「経済同盟をさらに拡大する方法についての話し合いを続ける」と述べた。
トルドー氏は10日の北米3カ国首脳会談(北米サミット)のためにメキシコシティを訪問した。10日には米国とメキシコ、カナダの首脳が会談し、移民問題や経済協力に関する共同声明を採択した。トルドー氏は電気自動車(EV)や半導体、希少金属などの供給網(サプライチェーン)で北米の連携を深める考えを示した。