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テスラ、上海のEV工場拡張計画中止か ロイター報道

4月の上海国際自動車ショーでは品質に不満を持つ消費者による抗議行動も起きた=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】ロイター通信は11日、米テスラが中国・上海市で電気自動車(EV)工場用地の追加取得計画を中止したと報じた。以前の計画では既存工場を拡張し、米国を含むより多くの市場への輸出拠点とする考えだったが、米中対立が長引いたことで中国生産比率を制限する方針に転じたという。

テスラは2019年に米国外で同社初となるEV工場を上海市で稼働させた。現在の年間生産能力は45万台で、主力小型車「モデル3」と派生車種「モデルY」を生産している。このうちモデル3については20年秋以降、欧州や日本などへの輸出を始めた。年間生産能力が60万台の米カリフォルニア州のEV工場に匹敵する規模になっている。

ロイター通信によるとテスラは米国を含むより多くの市場に中国製モデル3の輸出を拡大するため、既存工場の道路を挟んだ向かい側の土地の取得を計画していた。対外的に公表はしていなかったが、既存工場と合わせた敷地面積は従来の1.5倍の1.2平方キロメートルとなり、20万~30万台の年間生産能力の上積みを見込んでいたという。

ただ、バイデン米政権の誕生後もトランプ前政権時代に課された中国製自動車に対する制裁関税は残っており、中国から米国へのEVの輸出は難しい局面が続いている。ロイターは3人の関係者の話として、テスラが3月に行われた用地取得の入札への参加を見送ったとしている。

上海工場には現在は駐車場として使われている空きスペースがあり、ロイターはテスラが既存の敷地を使って生産能力を引き上げる可能性もあるとしている。工場用地の取得見送りについて、テスラからのコメントは得られていない。

中国が新型コロナウイルスによる景気低迷からいち早く抜け出したことで、テスラは生産と販売の両面で中国市場への依存度を高めている。調査会社マークラインズによると21年1~3月の中国におけるテスラ車の販売台数は前年同期比3.7倍の約6万9000台となり、米国販売台数とほぼ並んだ。

テスラの上海工場は市場開放を印象づけたい中国政府が外資による単独出資を初めて認めた自動車工場だ。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は建設当初は中国政府との良好な関係をアピールしていたが、21年に入ってからは品質問題への対応などをめぐって中国規制当局からの批判にさらされるようになっている。バイデン政権との対立を強める中国政府が米側に圧力をかける手段として、知名度の高いテスラを標的にしているとの見方もある。

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