米政府、ハンドルない自動運転車認可へ 安全基準修正 - 日本経済新聞
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米政府、ハンドルない自動運転車認可へ 安全基準修正

【シリコンバレー=白石武志】米運輸省は10日、ハンドルやブレーキがない自動運転車の公道走行を認める規制緩和を発表した。革新的なデザインを持つ次世代車の実用化に道を開くことで、自動運転分野における国際開発競争をリードする構えだ。

米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が10日付で自動運転車の乗員保護に関する最終規則を公表した。特定の条件下で運転を完全自動化する「レベル4」以上の車両を対象に、自動車の設計や構造などの要件を定める連邦自動車安全基準(FMVSS)を近く修正する。

従来の安全基準では米国の公道を走る車には原則としてハンドルやブレーキが必須とされていた。新たな規則は手動操作装置を持たない自動運転車を認めるとともに、乗員保護のための安全基準を明確にするものだ。米メディアは史上初の取り組みだと報じている。

ブティジェッジ運輸長官は10日付の声明で「2020年代を通じて自動運転や運転支援システムの開発に安全基準が追いつくようにすることが米運輸省の安全に関する重要な任務の一つだ」と述べた。中国などとの自動運転技術の開発競争を念頭に、規制緩和によって米国内の技術革新(イノベーション)を後押しする意向を示した。

ゼネラル・モーターズ(GM)系の自動運転技術開発会社GMクルーズは2月、ホンダと共同開発する、ハンドルやブレーキのない自動運転車「オリジン」について生産と商用運転を始めるための認可をNHTSAに申請したと発表している。今回の規制緩和はこうした企業側の要請に対応するものだ。

人間が運転する車と自動運転車が公道上で安全に共存するためには、社会全体の技術に対する正しい理解も必要となる。NHTSAは今回の規制緩和の発表にあわせて自動運転分野の取り組みを紹介するウェブサイトを更新するなど、米国民らへの啓発活動にも力を入れている。

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