韓国ハンファ、米国内に太陽光パネル工場新設へ

【ニューヨーク=西邨紘子】韓国財閥ハンファグループ傘下で太陽光パネル大手のQセルズは11日、米南部ジョージア州アトランタ郊外に工場を新設する計画を発表した。25億ドル(約3300億円)を投じ、原料から最終製品まで現地で一貫生産できる体制を整える。同州に持つ既存工場でも生産能力を引き上げる。米政府が2022年に打ち出した再生エネルギー関連の国内投資優遇策を受け、米国内での生産規模拡大に動く。
新工場は23年1~3月期中に着工し、2年以内の全面稼働を目指す。新工場では、現在は米国内で生産されていないインゴットやセルなど太陽光パネルの主要原料も手掛ける。新工場の生産能力は、パネルの発電能力に換算して3.3ギガワット規模を見込む。
19年に同じジョージア州ダルトンで稼働した既存工場でも生産能力を引き上げる。Qセルズは、24年までに州内2工場を合わせた生産能力が、これまでの約5倍に当たる8.4ギガワット規模になると予想している。また、新規投資により2500人の雇用が創出できるという。
米政府は22年8月に成立した歳出・歳入法で、再生エネルギー分野への投資優遇策や再生エネルギーを使用する家庭への税優遇などを通しエネルギーの「脱炭素」支援に乗り出した。米ファースト・ソーラーが同月、国内4カ所目の工場新設を決めるなど、太陽光パネル生産拠点に投資する動きが相次いでいる。

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