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米インフレ予想、40年ぶり高水準 ミシガン大調査

(更新)

【ニューヨーク=斉藤雄太】米ミシガン大が11日発表した3月の消費者調査(速報)によると、人々の1年先の物価見通しを示す予想インフレ率が5.4%と前月から0.5ポイント上がり、1981年11月以来約40年ぶりの高水準になった。ロシアのウクライナ侵攻で原油相場が高騰し、米国のガソリン価格も急上昇したことが影響した。実質的な購買力の低下を懸念し、消費者心理も一段と悪化した。

1年先の予想インフレ率は2月時点で4.9%と、リーマン危機前に原油相場が高騰した2008年夏以来の高さだった。3月はさらに伸びが加速した。5年先の予想インフレ率は3%と横ばいだった。

個人や企業が将来物価がどの程度上がるとみているかを示すインフレ予想は、モノやサービスの需給の引き締まりとともに、足元の物価上昇率を決定する大きな要素になる。

全米自動車協会(AAA)によると、全米平均の1ガロン(約4リットル)あたりのガソリン価格は11日時点で4.331ドル(約500円)と1カ月前から24%上がった。車社会の米国でガソリン価格の変動は人々の物価観に反映されやすい。米欧日の対ロシア制裁で原油以外のエネルギーや食品の価格上昇圧力が強まっていることも、消費者のインフレ警戒感を招いている。

3月の同調査で消費者態度指数は59.7と3カ月連続で下がり、10年半ぶりの低水準になった。ミシガン大の調査分析担当のリチャード・カーティン氏は「最近の燃料高の加速やインフレ調整後の所得の減少が響いた」と指摘する。

10日発表の2月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比で7.9%上昇したことも踏まえ、米金利先物市場では米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの見方が再燃している。15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げが確実視されているが、その次の5月会合で0.5%の大幅利上げに動くとの予想が11日昼時点で4割に達した。

ウクライナ危機によるリスク回避で買われた米国債にも再び売り圧力が強まってきた。米長期金利の指標になる10年物国債利回りは11日に一時、2%台に上昇(価格は下落)した。

FRBは中長期的なインフレ予想が高まり、人々の賃上げ要求と物価高の循環が止まらなくなる事態を警戒する。調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのイアン・シェファードソン氏は、5年先の予想インフレ率が不変だったため「FRBにとって安心できる内容だった」とみる。ただ遅行指標の中長期のインフレ予想まで明確に上がり始めたらインフレ制御は手遅れになる可能性もある。FRBが景気不安の高まるなかでどの程度の規模やペースで引き締めに動くのか、不透明な状況が続く。

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