/

ボーイングとエアバス、受注3年ぶり高水準 21年

【ヒューストン=花房良祐、パリ=白石透冴】世界の航空機需要が回復している。米航空機大手ボーイングと欧州エアバスの2021年の新規受注は、20年の約3倍の計1680機と3年ぶりの水準になった。国内線需要の復調で小型機がけん引した。国際線需要は依然として低迷しているほか、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」のまん延もあり先行きは不透明感が漂う。

両社は11~18年にかけ年2000~3000機を受注しており、21年は当時の6~8割の水準まで戻した。

ボーイングは11日、21年の新規受注が前年の約5倍の909機だったと発表した。小型機737MAXが新規受注の8割を占めた。同機は2回の墜落事故を受けて19年に運航を停止し発注のキャンセルが相次いだが、20年末に米連邦航空局(FAA)が運航再開を認めたことで航空会社の発注が再び活発になった。

21年はユナイテッド航空が約260機、サウスウエスト航空が約150機の737MAXを発注した。20年に発注を手控えていた航空会社の注文が21年にずれ込んで押し上げた側面もある。

ボーイングの新規受注は3年ぶりにライバルのエアバスを上回った。737MAXの運航停止などで19年以降、エアバスに水をあけられていた。

エアバスは新規受注が前年の2倍となる771機。このうち737MAXの対抗機であるA320neoシリーズが9割近くを占めた。ギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は「コロナ禍後、航空需要は継続的に成長するとの期待を持たれていることが明らかになった」との声明を出した。

20年は国内線と国際線ともに旅客が大幅に減少した。オミクロン型の発生などで国際線は依然として低迷するが、21年は国内線が盛り返した。航空会社は大型機の運航をやめて燃費のよい小型機の調達を優先。737MAXやA320neoは旅客数が100~200人程度と小さく、国内線で運航されることが多い。

旺盛な需要を受けて737MAXとA320neoにエンジンを供給する航空エンジンの仏サフランは22年に1万2000人を新たに雇用する方針と報じられている。

もっとも、今後の旅客需要は見通せない。バンク・オブ・アメリカのロナルド・エプスタイン氏は「航空旅客の年間需要が19年の水準に戻るのは23年」とみており逆風が続く。

新型コロナ禍でネット通販の利用が増加したことなどを受け貨物機は好調だった。ボーイングは中大型の貨物機で過去最高となる合計84機を米物流フェデックスやUPS、中東のエミレーツ航空などから受注した。ボーイングは次世代大型機777Xの貨物機型を開発することも検討中だ。エアバスは21年、最新鋭機A350の貨物機型を初めて受注した。

一方、出荷機数はボーイングとエアバスで明暗が分かれた。ボーイングは340機となり、737MAXが運航停止する前の18年と比べて半分以下の水準に低迷している。品質管理問題で揺れる中型機787は21年、14機の出荷にとどまった。足元では月産2機しか生産しておらず、出荷できていない。出荷分のうち7割は737MAXで、同社は増産を急いでいる。

一方、エアバスの出荷は611機だった。新型コロナ禍前の19年よりは3割少ない水準だが、787の品質管理問題などを抱えるボーイングよりは落ち込みが少ない。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 国内 海外 感染状況 論文・調査 Nikkei Asia

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

業界:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン