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FRB議長、政策は「謙虚かつ機敏に」 発言要旨

(更新)

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11日、米議会上院の銀行委員会で開かれた公聴会で、金融政策について「今年は正常化に向けて進む年になる」と発言した。経済情勢を見ながら利上げやバランスシートの正常化に着手する見通しを示した。質疑応答での主な発言は以下の通り。

金融政策「謙虚かつ機敏に」

失業率は4%を下回る一方で、インフレは長期目標の水準より大きい。2022年の景気は少なくとも(10月にかけての)2四半期はとても良好だとみている。経済は、極めて緩和的な金融政策の支えは必要としていない。今年は、経済が予測通りに進捗すれば、正常化に向けて進む年になると予測する。

3月に資産購入の縮小(テーパリング)を終え、年内に利上げし、おそらく年後半だろうがある時点で、バランスシートの縮小に着手することになる。今後の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合でガイダンス(指針)を提供することになると思うが、バランスシートは現在9兆ドル(約1040兆円)あり、必要とする規模をはるかに上回っている。FOMC参加者が予測する利上げ回数の中央値は3回だが、それは供給面の改善、インフレなどの進捗次第だ。

バランスシートの正常化に関しては、12月の会合で初めて議論した。1月も話す予定だが、まだ何の決定もしていない。前回の正常化に比べて速いペースで動くことができるという点は明らかだ。保有資産の売却については、何も決定していないので、FOMCの判断に先んじて述べることは避けたい。

我々は、謙虚かつ機敏になる必要があるだろう。足元では新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最高となり、入院数も過去最高に近づいている。パンデミック(世界的大流行)は長引いており、我々は変化する環境に柔軟に対処する必要がある。金融政策も適応することになる。

労働市場「失業率、歴史的に速い水準で低下」

金融政策の正常化は、労働市場を阻害することはないと考える。労働参加率は回復していないが、失業率は、歴史的に速い水準で低下している。従って労働需要には、(金融)政策を通じて解決しなければならない問題はない。労働市場は現在、逼迫しており、労働力が極めて不足している。この結果、労働者側が大きな影響力を持つという状態は長引く可能性がある。

長期目標(2%)を上回る高水準のインフレが持続した際は、インフレを抑え目標水準に戻すために、我々の持っているツールを使う。労働参加率は非常にゆっくりとしか改善しないので、労働参加率が高く強い労働市場にするには、長い(景気)拡大期間が必要だ。それを実現するには物価の安定が必要だ。高インフレは、最大雇用の実現に必要な長期間の拡大をもたらす上で深刻な脅威なのだ。

インフレ「供給制約の緩和はもっと速いと思った」

(なぜ当初はインフレ加速が「一時的」との捉え方をしたのかという議員の質問に対し)供給側の目詰まりや品不足は、もっと速く緩和すると思ったからだ。今回のような世界的な供給網が崩れるという事象は前例がない。労働市場が受けた打撃もかつてない規模だったため、インフレはもっと緩やかだと見込んでいた。

実際は、供給側の制約は極めて持続的でしつこく、あまり(解消に向けた)前進がみられない。人々は車を買いたくても、自動車メーカーは作れないのだ。半導体が足りないからだ。かつてないことが起きている。

今年は供給制約はやや緩和すると予測している。グローバルな供給網の逼迫は緩和され、品不足なども解消され始めるだろう。そうならないとインフレはさらに長引き、さらに加速し、我々が対応しなければ、企業や家計心理にインフレが及ぼす影響がリスクとなる。

気候変動「重要な優先課題」

我々は気候変動ストレスシナリオと呼んでいるが、今後カギをにぎるツールになるだろう。それは資本に影響する通常のストレステストとはかなり異なるものであることを強調しておきたい。我々の監督内に含まれることであり、今後数年間にわたって、非常に重要な優先課題となると思う。

有価証券売買ルール見直し「どこよりも厳格」

我々はFRBの政策決定者や上級スタッフによる有価証券の売買に関する規則を全面的に見直した。誰も個別銘柄の株式は購入できない。古い仕組みが何十年にもわたって続いてきた。突然、それが不十分だったことが明らかになった。社会の我々への信頼を守る必要性を真剣に捉えている。新しい仕組みは、政府内のどこよりも厳格なものだと考えている。

FRBの独立性「選挙のタイミングに関わりなく任務遂行」

我々はすべての米国人のために働くことが重要で、それが我々の仕事だ。選挙のタイミングといった政治的な配慮や、特定の政党が我々の職務範囲外の問題についてどう考えているかに関わりなく、議会が我々に与えた最大雇用と物価安定という目標、さらに決済・金融システムの安定に集中しなければならない。それこそがFRBの独立性を維持し続けることを正当化するために、我々がすべきことだ。

(ニューヨーク=大島有美子、ワシントン=長沼亜紀)

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