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米の入院患者、1カ月で4倍 テキサス州など医療逼迫

(更新)
米南部ルイジアナ州の病院で10日、治療を受けるコロナ患者=ロイター

【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、入院者数が急増している。直近で1カ月前に比べて4倍となり、1月中旬のピーク時の5割弱に達した。南部テキサス州などワクチン接種が遅れる地域で医療が逼迫し、地方政府が対策を急いでいる。

米ジョンズ・ホプキンス大によると、米国の10日の新規感染者数(7日移動平均)は約11万7000人となった。1カ月前の6倍とインド型(デルタ型)の広がりによる感染拡大が続く。死者は4日連続で500人を超えた。

英オックスフォード大の研究者らがつくる「アワー・ワールド・イン・データ」によると、7日時点の入院者数は約6万人。感染者数の増加とともに急増している。特に増加傾向が目立つのはワクチン接種率が低い地域で、病床が逼迫しつつある。

「コロナ患者を受け入れるために対策を講じるように求める」。感染者が急増するテキサス州のアボット知事は9日、州内の医療機関に文書を出した。具体的には緊急性が低い医療行為の延期を挙げた。

さらに州内5カ所の施設で感染者の受け入れを始める。サンアントニオ市のスポーツ施設には10日、約140のベッドを設置した。重症になる可能性が高い患者を対象に医師の指示に従って治療薬を投与する。人材派遣会社も利用し、全米から医療従事者を集め始めた。

コロナ患者の増加に対応するために建設される病院のテント(9日、テキサス州ヒューストン)=AP

南部フロリダ州でも病床が埋まりつつある。米CNNによると、人口10万人あたりの入院率が全国平均の3倍超。集中治療室(ICU)の使用率は9割近い。フロリダ病院協会は7割の病院が今後7日間で重大な人手不足に陥ると予想していると明らかにした。

州内のある病院では入院までに通常15分かかるところを、最大1時間かかっているという。連邦政府は同州に人工呼吸器300台を提供した。

南部アーカンソー州は9日時点でICUの空きが残り8床となった。中西部オクラホマ州では患者の受け入れ先が見つからず、隣接州へ搬送されるケースが目立つ。

一方で、病床が逼迫しても医療崩壊には至らないとの見方がある。フロリダ州の医療機関、セーフティーネット・ホスピタル・アライアンスの最高経営責任者(CEO)、ジャスティン・シニア氏はAP通信の取材に「病院の多くは会議室や外来センターなどあらゆる場所をコロナ患者用に充てることができる」と指摘した。

地方政府は医療体制の拡充とともに、ワクチン接種を急ぐ。データを公表する25の州・首都ワシントンで接種と感染の関係をみると、接種を完全に終えた人の感染率は「1%をはるかに下回る」(カイザー・ファミリー財団)ためだ。入院率はさらに少なく、最大でも0.06%(アーカンソー州)という。

米疾病対策センター(CDC)などによると、テキサス州で接種を完了した人の割合は44.6%と全米平均(50.3%)より低い。マスク着用の義務づけ禁止を打ち出したアボット知事も「ワクチンは安全で効果的だ」と重ねて強調する。5月には移動式のワクチンチームをつくり、自宅でも接種を受けられるようにした。

ワクチン接種が遅れる州では大規模接種会場を再び設置する動きもある(9日、フロリダ州オーランド)=AP

「後から考えると、法制化しなければよかった」。アーカンソー州のハッチンソン知事はマスク着用の義務を禁じる法に署名したことを悔いた。同知事は9日、バイデン大統領と電話で会談し、ワクチン接種の促進に向けて協力を確認した。

カリフォルニア州は教職員にワクチン義務


【ニューヨーク=白岩ひおな】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は11日、カリフォルニア州が学校で働く教師や職員に対し、新型コロナウイルスのワクチン接種を義務づけると報じた。ワクチンの未接種者は毎週新型コロナの検査を受け、陰性証明を提出する必要がある。インド型(デルタ型)のまん延による感染者の急増を踏まえたものだ。同州はすでに医療従事者や州政府職員に同様の措置を講じている。
米CNBCは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)が9月13日から、取引所で働く人々に新型コロナの接種証明の提示を義務づけると報じた。医療上または宗教上の理由があれば免除される場合もあるという。ワクチン接種完了後に感染する「ブレイクスルー感染」の事例もあるため、取引所での新型コロナの抜き打ち検査も拡大する。NYSEはすでに、新規株式公開(IPO)時に取引所を訪れる人にワクチン接種の証明書の提示を求めている。
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