/

Apple、アプリ審査で1600億円の不正取引防止 20年実績

(更新)
think!多様な観点からニュースを考える
アップルは20年に続いてアプリ審査の実態を公表した=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】米アップルは11日、自社のアプリ審査を通らず新規配信を拒んだアプリが2020年に約100万本に上ったと明らかにした。セキュリティー上のリスクなどを抱えるアプリを自社製品上から排除することで、1年間で15億ドル(約1600億円)超の不正取引から消費者を守ることができたとの試算も示した。

アップルは自社製品向けのアプリ配信サービス「アップストア」上で消費者に悪影響を及ぼすソフトウエアが流通するのを防ぐため、外部企業などが開発した各種アプリが同社の定めるプライバシーやセキュリティーなどの規約を満たしているかを審査し、登録・配信の可否を判断している。開発者らへの透明性を確保するため、19年からアプリ審査の実態について概要を開示している。

20年にアップストアへの登録申請のあった新規アプリのうち約100万本に問題があり、登録を拒んだという。アップデートを試みようとした既存のアプリについても、規約を満たさないなどの理由で100万本近くについて登録を却下したり、アップストア上から削除したりしたという。新規登録やアップデートの申請総数は明らかにしていない。

登録・配信を却下した理由の代表例は「隠された機能や文書化されていない機能がある」が4万8000本以上、「スパム(迷惑行為)や誤解などを招く恐れがある」が15万本以上だった。機能と関係のない個人データを集めるなど「プライバシー侵害」を理由に配信を拒んだアプリは約21万5000本だった。

アプリ開発者の中にはアップルが定めた規約をかわすために、アプリの審査を通過した後に動作方法を変更して禁じられている行為を実行しようとするケースもあるという。アップルが不正行為を理由にアップストアから排除した約9万5000本のアプリのほとんどに、こうした手口が使われていたという。

アップルは有料アプリについては15~30%の配信手数料を課す一方、自社製品上でアップストア以外のアプリ配信を認めていない。一部のアプリ開発者からはこうした姿勢が反競争的だという指摘があがっており、人気ゲーム「フォートナイト」の開発元である米エピックゲームズは20年にアップルを相手取った訴えを起こしている。

アップルは11日の報道発表の中で、消費者がアプリを安全にダウンロードできるようにするために「アップストアの舞台裏では莫大な経営資源が投じられている」と強調した。15~30%の手数料水準が妥当であると主張するとともに、外部企業によるアプリ配信を認めれば安心・安全な環境を維持できなくなると訴える狙いとみられる。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • この投稿は現在非表示に設定されています

    (更新)
    (0/300)
(0/300)
投稿内容をご確認ください
投稿チェック項目誤字脱字がないかご確認ください
投稿チェック項目トラブル防止のため、記事で紹介している企業や人物と個人的つながりや利害関係がある場合はその旨をお書き添えください
詳細は日経のコメントガイドラインをご参照ください

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン