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米中、安保や人権問題で火花 外交トップが18日会談

ブリンケン国務長官は「中国には妥協しない」との立場を強調した(10日、ワシントン)=ロイター

【ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主】ブリンケン米国務長官が中国の外交担当トップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員と18日、アラスカ州で会談に臨む。米中の外交トップが対面式で会うのはバイデン政権では初めてで、「新冷戦」とも称される米中関係の先行きを占う会談となる。安全保障や人権問題、経済など幅広い分野で火花を散らすのは確実だ。

ブリンケン氏はこれに先立つ15日から日本と韓国を歴訪する。その帰路に経由地のアラスカ州アンカレジに立ち寄る機会を会談に活用する。

米国はサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、中国は王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も同席する。楊氏と王氏の2人が同時に米国を訪れるのは異例だ。バイデン政権との対話を通じて対米関係の安定につなげたい中国側の強い意向がうかがえる。

中国はバイデン政権との対話を通じて対米関係の安定を図りたい考えだ(楊潔篪・共産党政治局員)=AP

「米国や同盟国の安全や繁栄、価値観に脅威となる行動に懸念を伝える重要な機会となる」。ブリンケン氏は10日の米議会の公聴会でこう語り、幅広い分野で中国の行動を改めるよう要求する方針を明らかにした。気候変動や核不拡散など米国の国益につながる分野では「協力の道があるかどうか探る」とした一方、「中国には妥協しない」との立場も強調した。新疆ウイグルや香港など人権問題でも対立は避けられない。

協議で焦点の一つになるのは台湾だ。米海軍第7艦隊によると、ミサイル駆逐艦ジョン・フィンが台湾海峡を現地時間の10日に通航した。「今回の通航は自由で開かれたインド太平洋への米国の関与を示している」。第7艦隊は声明でこう強調した。台湾への圧力を強める中国を意識したのは明白だ。

台湾を絶対に譲れない「核心的利益」と位置づける中国は反発する。台湾方面を担当する中国人民解放軍の東部戦区の報道官は11日「米艦船のすべての行動を監視して厳重に警戒し、あらゆる脅威と挑発に随時対応する」とコメントを出した。

米中はオバマ、トランプ両政権下で経済、外交・安全保障の懸案を閣僚級で話し合う戦略対話を定期的に開催してきた。ただ、米国が中止を求めてきた南シナ海の軍事拠点化や米企業へのサイバー攻撃などはやむことはなかった。米国にとって具体的な成果に乏しく、米国に対抗する力をつけるための中国の時間稼ぎに終わった。

オバマ政権で国務副長官などを歴任したブリンケン氏は中国のこうした手法を熟知している。「これは戦略対話ではない。現時点では、こうした取り組みを続けてやるつもりはない」。ブリンケン氏はこう表明し、米側の態度軟化をめざす中国を突き放してみせた。

一方、中国外務省は11日、ブリンケン氏が否定した米中の「ハイレベル戦略対話」を18~19日に開くと発表した。米国側の招きに応じたと主張している。趙立堅副報道局長は「米国は中国の主権や安全、発展利益を尊重するように要求する」とのコメントを出した。

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