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米の竜巻被害、死者100人超のおそれ 物流混乱に拍車

(更新)

【ニューヨーク=中山修志、ワシントン=中村亮】米国で10日夜から11日にかけて発生した竜巻の被害で、南部ケンタッキー州や中西部イリノイ州など複数の州で犠牲者が出た。ケンタッキー州の死者数は70人を超える可能性があるほか、アマゾン・ドット・コムの倉庫でも少なくとも6人が死亡しており、米メディアは全体の死者数が100人を超える恐れがあると報じている。フェデックスの物流拠点も被害を受けるなど、年末の物流の混乱に拍車がかかる懸念がある。

ケンタッキー州では州西部メイフィールドのろうそく工場を竜巻が直撃し、少なくとも18人の死亡が確認された。工場では約110人が働いていたといい、ビシア知事によると、死者数は70人から100人にのぼる可能性があるという。

ビシア氏は11日の記者会見で「州の歴史上、最も深刻な竜巻被害だ」と語り、緊急事態を宣言するとともに連邦政府に支援を要請した。バイデン大統領も11日、記者会見を開き「史上最大級の竜巻(被害)となりそうだ」との認識を示した。

バイデン氏は米連邦緊急事態管理局(FEMA)が被災地に緊急要員や救助隊、物資を供給していると説明し「各州と協力して被害状況を把握し、必要なところに集中して最も迅速に支援する」と強調。「必要なものは何でも提供するつもりだ」と述べた。

米メディアによると、10日夜から11日朝にかけてケンタッキーやイリノイ、テネシー、アーカンソー、ミズーリなど6つの州で30以上の竜巻が発生した。アーカンソーの高齢者施設の入居者1人が死亡し、複数のけが人が出たほか、テネシー、ミズーリ、イリノイの各州でも死者が確認された。

中西部イリノイ州ではアマゾンの物流倉庫が竜巻の直撃を受けて建屋の3分の1程度が崩壊。従業員少なくとも6人が死亡し、一時100人ほどが閉じ込められた。同倉庫ではクリスマス商品の配送対応などで多くの従業員が夜勤で働いていた。

アマゾンは11日夜、「竜巻の犠牲になった従業員に心から哀悼の意を表し、被災者への支援を続けていく」と声明を出した。イリノイ州の財団に100万㌦(約1億1300万円)を提供し、復興を後押しする。

物流大手のフェデックスは南部テネシー州の物流センターが被害に遭った。同センターは米中西部と南部を結ぶ同社の主要拠点で、国内と国際の双方の貨物輸送に遅れが出るという。被害状況の詳細は不明だが、遅延の日数や対象となる荷物の規模が明らかになり次第報告するとしている。

米国では新型コロナウイルス危機後の物流の混雑が深刻化しており、各社は従業員の採用拡大や配送施設の増設などでモノの動きが増える年末の混乱解消に取り組んでいた。米国のほぼ中央部で発生した広範な竜巻被害により、サプライチェーン(供給網)の正常化が遅れるおそれがある。

一方、自動車メーカーなど製造業への影響は現時点で限定的とみられる。ケンタッキー州にはトヨタ自動車の北米最大の完成車工場があるが、竜巻被害が大きかった地域から離れている。トヨタは11日夜「現時点で部品メーカーを含めてサプライチェーンへの竜巻の被害は出ていない」とコメントを発表した。ケンタッキー州の販売店1店舗で建物の一部が損傷したが、従業員に被害はなかったという。ケンタッキー州にある米ゼネラル・モーターズ(GM)の工場では屋根や通用口が損傷し、13日の操業を見合わせる。

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