/

メキシコ、嗜好用の大麻を解禁へ 世界最大の市場に

上院近くで育てられている大麻(2020年9月、メキシコシティ)=ロイター

【メキシコシティ=宮本英威】メキシコで10日、嗜好品としての大麻合法化の大枠が決まった。国家としての解禁は南米ウルグアイ、カナダに次いで3カ国目。人口規模で世界最大の市場となる。政府は組織犯罪の減少や税収の増加を期待する。ただ国民の間では健康被害や未成年者への悪影響を懸念する声は根強く残っている。

連邦議会下院は10日、大麻規制法の制定、保健一般法や刑法の改定案の大枠を賛成多数で可決した。賛成が316票、反対は129票で、23人が欠席した。

与党・国家再生運動(MORENA)のシメイ・オルベラ下院議員は「我々はきょう歴史を作っている」と述べた。今後は議会で法案の詳細を詰めたうえで、ロペスオブラドール大統領の署名を経て、公布される見通しだ。

18歳以上の個人が自宅で大麻を栽培する場合は登録したうえで1人で6鉢、2人以上では8鉢までの栽培が認可される。28グラムまでの所持が認められ、使用は原則としては住居内となる。

28グラム超~200グラムまでを所持していた場合は罰金刑で、200グラム超の所持は刑事罰の対象となる。商業活動については、栽培や販売などに応じて6種類の免許を準備する。実際の認可は2022年からになりそうだ。

メキシコでは17年に医療用の大麻使用は合法化された。最高裁が18年に「娯楽用の大麻使用禁止は権利侵害」という原告の訴えを認めて、議会に立法化を求めており、議論が続いていた。

メキシコでは違法薬物が犯罪組織の資金源になっている。政府は嗜好用大麻の合法化で、生産や流通を牛耳る犯罪組織の関与を減らしたい考えだ。農民が正規に栽培できるようになれば、貧困地域の底上げになることも期待する。

政府は生産サービス特別税(IEPS)や付加価値税(IVA)などの課税を予定しており、187億ペソ(940億円)の歳入増につながるとの分析も報じられている。将来的な市場規模は70億ドル(7600億円)に達するとの見方もあり、大麻産業協会(ANICANN)は7万5千人の雇用創出を見込んでいる。

ただ国民の間では合法化に慎重な意見が優勢だった。経済紙フィナンシエロが20年11月に実施した世論調査では58%が大麻の合法化に反対だった。今回の合法化では、未成年の使用や売買への関与は認めないが、悪影響が懸念される。

メキシコの人口は1億2700万人で、人口規模で世界最大の大麻市場となる。米国では現在、15の州で嗜好用の大麻が合法化されている。メキシコとカナダという両隣国の動きを受け、米国内でもさらに合法化への動きが強まる可能性がある。

国連麻薬委員会は20年12月、国際条約で定められている最も危険な薬物分類から大麻を外す勧告を承認した。世界保健機関(WHO)が削除を勧告していた。医療目的での使用を後押しすることになっている。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン