Microsoft、ChatGPTのオープンAIに1.3兆円を追加投資か

【シリコンバレー=佐藤浩実】米マイクロソフトが米新興オープンAIへの追加投資に向けて協議をしていることが10日までに明らかになった。米メディアのセマフォーが関係者の話として、最大で100億ドル(約1兆3200億円)の投資を視野に交渉していると報じた。取引は破談になる可能性もあるという。
オープンAIは「GPT-3」などの大規模言語モデルを手がける人工知能(AI)の研究開発企業で、起業家のサム・アルトマン氏らが2015年に設立した。22年11月には質問に対して自然な文章で回答する「ChatGPT(チャットGPT)」を公開し、日本でも話題になった。進化の著しい生成AIの分野で先行する企業のひとつだ。
マイクロソフトは19年にオープンAIに10億ドルを投資し、多くの協業をしている。作りたいアプリケーションに合わせてAIがソースコードを提案するサービスや、画像生成AI「DALL-E 2」を組み込んだデザインソフトが代表例だ。検索エンジン「Bing」では、入力した文章に応じて画像を生成できるようにする構想を示している。
セマフォーによれば、マイクロソフトは投資を回収するまでオープンAIの利益の75%を得るという。最終的には49%を出資する株主になるもようだ。
金額や条件は変わる可能性があるものの、サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は今後10年で最も重要な技術としてAIを挙げている。追加投資を通じてオープンAIとの協業を深める狙いがあるとみられる。問い合わせに対するマイクロソフトからの回答は得られていない。
取引には複数のベンチャーキャピタル(VC)も参加し、オープンAIの企業評価額を290億ドルに引き上げることになるという。米ウォール・ストリート・ジャーナルは1月初旬、著名起業家のピーター・ティール氏が率いるファウンダーズ・ファンドなどが株式の買い付けで交渉中だと報じていた。
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