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米中、首脳協議にらみ環境整備 気候変動を接点に

(更新)

【ワシントン=坂口幸裕、北京=羽田野主】米中両政府は10日、気候変動対策での協力策を盛った共同宣言をまとめた。バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が来週にも実施するオンライン形式での首脳協議に向けて環境を整えるのに最も適したテーマが気候変動対策といえる。

ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)は英グラスゴーで開催中の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)での記者会見で「協力こそがこの仕事を成し遂げる唯一の方法だ」と語った。中国の解振華担当特使も「私たちは責任を持たなければならない」(中国の解振華担当特使)と呼応した。

米ワシントン・ポスト紙によると、共同宣言はこの1年間で開いた約30回の交渉の成果だという。温暖化ガス排出量がトップの中国と第2位の米国の合計で世界の4割超を占める。実効性のある対策をつくるには両国の協力が不可欠になるが、今回の合意は具体的な数値目標に乏しい。むしろ米中の首脳協議を見すえた雰囲気を醸成する思惑が透ける。

ブリンケン米国務長官は10日、米紙主催のオンラインイベントで「近く首脳同士のオンライン協議が開かれる予定だ。様々な問題に集中的に取り組むことになる」と語った。政治専門サイト「ポリティコ」は米政府関係者の話として、首脳協議は15日に実施する予定だと報じた。

米中はサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員が10月上旬にスイス・チューリヒで会談した際、両首脳のオンライン協議を年内に実施することで合意していた。

両首脳は9日に米中関係全国委員会がニューヨークで開いた会合にそろってコメントを寄せた。バイデン氏は「パンデミックへの取り組みから気候危機への対処まで米国と中国の関係は世界的に重要な意味を持っている」と指摘した。

習氏は「相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力の原則に従い、交流と協力を強化して地球規模の課題に共同で取り組み、相違点を適切に管理して中米関係を正常軌道に戻す用意がある」と訴えた。

米中国交正常化に道筋を付けたキッシンジャー元国務長官も「中国と米国が困難を克服することが欠かせず、協力できる共通のプロジェクトを見つけるのはさらに重要だ」とのメッセージを出した。

国内で支持率が低迷するバイデン氏が看板政策である気候変動対策で成果を出すには中国の協力が不可欠になる。

中国側では共産党の重要会議、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が11日に閉幕。中国が国内外の情勢に神経質になりやすい会議を終えた後にバイデン氏との首脳協議に臨む意向が働いた可能性がある。

米中にはお互い譲れない分野も多い。米側は台湾海峡や南シナ海での中国の挑発行動について繰り返し懸念を伝えてきた。一方で中国にとっては台湾問題は外国に譲歩できない「核心的利益」の中でも特別だ。習氏がこの問題で譲歩するつもりはない姿勢を内外に示す好機ととらえている可能性がある。

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