マスク氏、テスラ株売却額5600億円に 米当局に届け出

【シリコンバレー=白石武志】米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が自ら保有する同社株の一部について売却手続きを始めたことが10日、米証券当局への届け出で明らかになった。同氏はあわせて報酬の一部として受け取ったストックオプション(新株予約権)の一部を行使しており、保有株の売却は源泉徴収義務を果たすためだと説明している。
10日、マスク氏が米証券当局に届け出た文書が相次いで開示された。同日夕の段階で8日付の売却分が開示され、その後に9~10日付の売却分が追加された。同日夜の段階で開示済みの売却株式数は計452万株になった。これはマスク氏の持ち分の3%弱に相当し、売却額は合計で約50億ドル(約5600億円)に達した。
届け出文書では、マスク氏が8日付で約215万株のストックオプションを行使したことも判明した。行使価格は1株当たり6.24ドルで、費用は約1340万ドルだったとみられる。一連の取引後のマスク氏の出資比率は17%弱に下がった。
マスク氏は6日、保有株の10%を売却してでも納税すべきかどうかをツイッター上の投票によって決めると表明。売却に賛成多数だった投票結果に従い、自ら保有するテスラ株を放出する方針を示していた。同氏が「公約」に従えば、今後も株式売却が続くことになる。
マスク氏の保有株売却の提案後、大量の株式放出による値下がり懸念から週明け以降の米株式市場でテスラ株は売りが加速していた。10日の終値は前日比4%高の1067ドル95セントとなり、4営業日ぶりに反発した。
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