/

オフィス再開で社員と綱引き 米IT大手、感染収束にらみ

(更新)
米IT大手は柔軟な働き方を求める社員の声に配慮することを求められている(米シアトルのアマゾンの社屋)

【シリコンバレー=奥平和行】オフィスの再開をめぐる米IT(情報技術)大手と社員の綱引きが激しくなっている。多くの企業が新型コロナウイルスの感染収束を前提に今秋にも出社に戻す検討を進めてきたが、一部社員が反発。アマゾン・ドット・コムは10日、「週3日出社」を原則とすることを社員に伝えた。働き方に関する議論に影響を与える可能性がある。

「柔軟性を確保することと出社がベストという信念のバランス確保に向けて検討を重ね、計画を見直した」。新たなオフィス再開計画を社員に伝えたアマゾンは10日、こう説明した。従来は「オフィスを中心とする文化への回帰」を原則としていたが、社員の声を取り入れて一部変更した。

新たな計画では週3日の出社を原則とし、出社日は職場ごとに管理職が決めることにした。社員には週2日までの在宅勤務を認める。一定の条件を満たして担当の副社長の承認が得られれば週4日以上の在宅勤務も許可し、その場合はオフィスで専用の机ではなく共用ワークスペースを提供する。これとは別に毎年4週間まで完全在宅勤務を選べるようにする。

背景にはシリコンバレーやシアトルなど各社が本社や事業拠点を置く地域の不動産価格の高騰がある。一部の社員は生活コストの上昇を嫌い、2020年に在宅勤務に移行したのを機に転居した。また、米ツイッターが無期限に在宅勤務を認めるなど「柔軟な働き方」を打ち出す企業が増え、人材確保のために追随せざるを得なくなっている面もある。

グーグルも「強い職場環境、創造的で楽しい雰囲気が社員の協業を後押ししている」(スンダー・ピチャイ最高経営責任者=CEO)とする一方、柔軟性を高める。社員の約6割が週3日程度の出社を原則とする「ハイブリッド型」に移行する一方、約2割は現在とは異なるオフィスでハイブリッド型を選択し、残りは完全在宅を続ける見通しだ。

フェイスブックは20年5月に「今後5~10年で社員の半数が自宅で働くようになる」との見通しを示しており、取り組みを進める。同社は米国内のオフィスを10月までに全面再開するが、在宅勤務の対象を新入社員を含むすべての社員に広げることを決めた。他国のオフィスから働くことが可能な制度の拡大などとあわせて9日に社員に通知した。

一方、アップルではオフィス再開計画に一部の社員が反発している。ティム・クックCEOが今月2日に「9月初めから毎週月曜日、火曜日、木曜日を出社日とする一方、ほかの日は在宅を認める」などといった方針を通知したところ、一部社員が「多くの社員のニーズに合致していない」と不満を表明した。

米メディアのザ・ヴァージによると、社員グループはビジネス用チャットツールのスラックにクックCEOに宛てたメッセージを投稿した。全社一律ではなく部門ごとに再開計画を定められるようにするほか、社員を対象とした働き方に関する継続的な調査などを要求している。出社型への回帰と柔軟な働き方の環境負荷の違いを調べることも求めた。

新型コロナ特集ページへ

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン