ボーイング、1年ぶり「787」出荷 アメリカン航空に

【ヒューストン=花房良祐】米航空機大手ボーイングは10日、製造品質問題で揺れていた中型機「787」の出荷を約1年ぶりに再開した。アメリカン航空が同日、機体を受け取ったと公表した。787を巡っては製造方法の改善が必要としてボーイングが米連邦航空局(FAA)と協議していた。
ボーイングは「規制当局の基準を満たした上で787の出荷を再開した。高品質の飛行機の提供を続けるために当局や顧客、サプライヤーと引き続き対話していく」とコメントした。商用機部門トップのスタン・ディール氏は社内向けのメッセージで「すべての行動と判断が顧客の信頼に影響する」として製造問題の収束を目指す考えを示した。
787は胴体部品の接合工程などの問題が発覚して2020年11月に出荷を停止した。21年春に再開したが、数カ月後に再び納入停止に追い込まれた。受注残は400機以上ある上、三菱重工業など日本のメーカーが機体の約3割の部品を供給しており、関連産業への影響は大きい。
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