/

米で外国人参政権の機運 NY市が可決、保守派は反発

【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で外国人に参政権を付与する機運が高まっている。ニューヨーク市が主要都市で初めて外国人に地方選の門戸を開いたほか、東部マサチューセッツ州や首都ワシントンでも検討が進む。「まず米国市民になるべきだ」などと反対論も根強く、保守派は法廷闘争に持ち込む構えをみせている。

ニューヨーク市議会は9日、外国人にも地方選挙での投票権を与える法案を可決した。同市に30日以上住み、永住権や就労許可を得ている外国人約80万人が対象で、米メディアによると同市の有権者数のおよそ2割に相当する。デブラシオ市長や2022年1月に就任するアダムス次期市長は容認する姿勢を示しており、法案は成立する見通しだ。実際に投票できるのは23年1月以降に実施される市長選などになるという。

「もし税金を払うなら、リーダーを選べるべきだ」。ドミニカ共和国出身のイダニス・ロドリゲス市議会議員はこう繰り返す。念頭に置くのは「代表なくして課税なし」をスローガンとして英国からの独立運動を盛り上げた米国の歴史だ。

新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)も法案可決を後押しした。同市が大きな打撃を受けた際に裕福層が転出する一方、移民らがエッセンシャルワーカーとして残り市民生活を支えた。世界から人や投資を呼び込み、経済都市としての基盤を強化する狙いもある。

東部メリーランド州や同バーモント州の複数の市はすでに外国人の地方参政権を認めている。マサチューセッツ州やワシントンなどでも検討されており、今回のニューヨーク市の動きが主に民主党が地盤をもつ地域で大きな影響を与えるとみられている。

一方で保守派を中心に反対論は根強い。ニューヨーク市共和党などは「投票したいのであれば米国市民権を得るべきだ」「30日間は短すぎる」などと主張し、法廷闘争に持ち込む考え。民主党のなかにも、人種的マイノリティー(少数派)の有権者の発言力低下を懸念する声もある。

米国では共和党州で投票権を制限する動きが目立つ。20年には南部アラバマ州や西部コロラド州、南部フロリダ州で地方選挙で投票できるのは米国市民のみとする州法が制定された。

共和党全国委員会は9月、外国人の地方参政権を認めたバーモント州の2つの市を訴えた。同委員会のマクダニエル委員長はこう強調する。「これは原則の問題だ。私たちは50州すべてで闘う」

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン