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マネー、再びリスク資産に 米株「オミクロン前」回復

(更新)

【ニューヨーク=大島有美子】マネーが再びリスク資産に向かい始めた。米株式相場が新型コロナウイルスのオミクロン型が広がる前の水準に回復した。オミクロン型が米経済に与える影響への警戒が和らいでいる。利上げの前倒し観測が出ていても、好調な企業業績を背景にした投資マネーの動きは堅調だ。

米主要株価指数はそろって上昇した。10日のダウ工業株30種平均は3万5970ドルと、前週末比で1390ドル(4%)上昇。週間の上げ幅は2020年11月以来、1年1カ月ぶりの大きさとなった。ダウ平均は急落前となる11月24日の株価(3万5804ドル)を2週間あまりで取り戻した。

多くの機関投資家が指標とするS&P500種株価指数は週間上昇率が3.8%となり、11月18日につけた最高値を更新した。週間上昇率は2月初旬以来の大きさとなった。ハイテク株の比率が大きいナスダック総合株価指数も週間で3.6%上昇した。

ここ1週間の回復を主導したのはハイテク株だ。米アップルは10日に上場来高値を更新。週間の上昇率は11%に達した。2020年7月以来の急上昇となり、時価総額で3兆ドルが視野に入る。マイクロソフトも前週末比で6%上昇し、上場来高値に接近した。

オミクロン型の感染は収まらず、各国で移動制限が続く。感染力は強い一方、重症化する可能性は低いとの専門家の発言が市場の警戒を解いている。投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は12月3日比で39%下落し、18台をつけた。不安心理が高まった状態とされる20を下回った。

日本株はオミクロン前の水準を回復しておらず、出遅れている。ピクテ投信投資顧問の松元浩グローバル資産運用部長は「オミクロン型の重症化リスクの低さなどのポジティブな材料に反応し、週明けは2万9000円を目指す展開になる可能性が高い」と指摘する。

米株にも不安要素はある。一つは物価高が続き、利上げの前倒し観測が強まっていることだ。それでも物価高がいずれ収まるとの楽観的な見方が市場では多い。

10日に発表された11月の米消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は約39年ぶりの高水準となったが、前月比でみると0.8%上昇で10月(0.9%)より上昇率は縮んだ。米オアンダのシニア・マーケット・アナリスト、エドワード・モヤ氏は「市場は22年半ばには価格上昇圧力が弱まると自信を深めた。株式購入への意欲は衰えていない」と指摘する。

直近の急落要因となったオミクロン型に対する市場関係者の見方はなお割れる。JPモルガンの著名ストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏は「オミクロン型の重症化リスクが低いとの傾向が確認されれば、パンデミック(世界的大流行)の終息を早めるとの期待が高まり、最終的にリスク資産にはプラスになる」とみる。

一方で英キャピタル・エコノミクスで世界経済を統括するエコノミスト、ジェニファー・マキューン氏は10日のリポートで「オミクロンの未知の脅威を考慮しなければならない。不確実性は経済の見通しに対するリスクだ」と述べ、慎重姿勢を崩していない。

上昇基調を取り戻したかに見える株式市場と異なり、債券市場は不安定な動きが続くとの見方が上がる。米国債相場の先行き不安が強まるほど数値が上がる「MOVE指数」は前週よりは下がったものの、11月後半以降は依然としてコロナ禍に突入した20年3月以来の高水準にある。

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