コインベース、従業員2割削減 仮想通貨市場冷え込みで
(更新)

【ニューヨーク=竹内弘文】暗号資産(仮想通貨)交換業大手の米コインベース・グローバルは10日、全従業員の2割に相当する約950人を削減する方針を明らかにした。同業のFTXトレーディングの経営破綻などで仮想通貨市場が冷え込むなか、コスト削減で生き残りを図る。
10日付の米証券取引委員会(SEC)への提出書類で開示した。人員削減は6月までに完了する見込み。人員削減を含めた構造改革を通じ、2023年1~3月期はリストラ費用など一時的なものを除く営業費用を22年10~12月期に比べて25%減らす計画という。コインベースは22年6月にも1100人規模の人員削減を発表していた。コインベースの株価は10日、一時前日比10%超上昇した。
22年11月に経営破綻したFTXは、関連投資会社の損失を穴埋めするため顧客資産を流用していた。創業者サム・バンクマン・フリード被告は詐欺罪などに問われている。仮想通貨に対する信認は低下し、情報サイトのコインマーケットキャップによると仮想通貨全体の時価総額は11月上旬以降に2割減少した。交換業に仮想通貨を預けるのを避ける動きも強まっている。
事業環境の悪化に対応するため、仮想通貨業界では人員削減の動きが相次いでいる。報道によると仮想通貨のレンディング(融資業)を手掛ける米ジェネシスは従業員の3割程度を解雇した。交換業のHuobi(フォビ)も2割相当を削減する予定という。