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中ロ、「米民主陣営」に反発 選別基準に疑問の声も

9日に開幕した米政府主催の「民主主義サミット」をめぐり、中国やロシアなどが批判を強めている。バイデン米大統領は価値観を共有する日本や欧州の主要国などと権威主義に対峙する狙いで参加国・地域を選んだが、「除外組」には中ロだけでなく米国と良好な関係を維持する国も含む。世界を色分けする米国の手法への反発も強い。

中国外務省の汪文斌副報道局長は10日の記者会見で「米国式の基準で世界を民主と非民主に二分しようとし、分裂と対立を扇動する米国の行動は世界に大きな動揺と災いをもたらすだけだ」と批判した。ロシアも「冷戦時代の思考の産物で、イデオロギー対立と世界の分裂をあおり新たな分断を生み出す」と強く非難した。

バイデン政権の選別の基準を疑問視する声は米国内からも上がる。米ワシントン・ポスト紙は今回招待されたパキスタンやフィリピンの人権問題に触れ「資格があるとは思えない国も含まれる」と報じた。ホワイトハウスのサキ大統領報道官は招待の基準を問われても「参加や招待はその国の民主主義への取り組みを承認する印でなく、不承認の印でもない」と明確に答えなかった。

英エコノミスト誌がまとめた「民主主義指数(2020年)」では招待国の平均値は7.0と非招待国の3.6を大きく上回る。だが、6を超えたハンガリーは欧州連合(EU)加盟国の中で唯一サミットに招かれず、ハンガリーのシーヤールトー外相は「無礼だ」と怒りをあらわにした。

東南アジア諸国連合(ASEAN)では、加盟10カ国のなかで招待したのはインドネシア、フィリピン、マレーシアのみだった。シンガポール外務省は「招待状を受け取っていない」と回答。ベトナムは共産党一党支配体制を維持し、党や政府に批判的な言論は厳しく規制される。外資系メディアなどへのアクセスを拒むなど言論を統制する。

タイは14年に軍事クーデターを主導したプラユット氏を首相とする親軍政権が続き、政権退陣や王室改革を求める反体制デモを厳しく取り締まる。ドーン副首相兼外相は「招待されれば参加の是非を判断しなければならなかった」と述べ、米中対立の踏み絵を避けられたとの見方を示す。

米国にとって中東の同盟国であるサウジアラビアやエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)も招待しなかった。蜜月だった前政権と対照的に、バイデン政権はサウジの人権状況に厳しい目を向ける。北大西洋条約機構(NATO)に加盟するトルコも招かなかった。米国の都合で世界を色分けすることになれば、既存の同盟の枠組みや友好関係にも影を落としかねない。

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