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トランプ邸捜索、共和党「中間選挙へ政治利用」と批判

【ワシントン=坂口幸裕】米連邦捜査局(FBI)がトランプ前大統領の邸宅を家宅捜索したことに野党・共和党が反発している。11月に迫る中間選挙を前にした「政治利用」(下院共和党トップのマッカーシー院内総務)などと批判した。一方、ホワイトハウスや与党・民主党は政権の意向が働いたとの見方を否定し、静観する構えだ。

FBIが8日に捜索したのは、トランプ氏が南部フロリダ州に所有する邸宅「マール・ア・ラーゴ」。大統領在任中に扱った機密を含む文書をホワイトハウスから持ち出した疑いが浮上している。

米国立公文書記録管理局は2月に議会に宛てた書簡で、トランプ氏がホワイトハウスから持ち出し、同氏の邸宅から回収した15箱分の文書に、最高機密の文書を含む国家安全保障に関する情報もあったと指摘。同局は機密の持ち出しを司法省に通報し、傘下のFBIが捜査していたとみられる。

大統領の公務に関する電子メールやメモ、書簡などの記録を保存し、退任時に同局に提出を義務付けている大統領記録法違反にあたる可能性がある。同法は1974年にニクソン元大統領が辞任に追い込まれたウォーターゲート事件をきっかけに78年に制定された。

有罪になった場合、最高2000ドル(約27万円)の罰金と最長3年の禁錮刑が科される可能性がある。さらに論点になりそうなのが「連邦政府のいかなる役職にも就く資格を失う」との規定だ。

合衆国憲法では大統領になる要件について①米国生まれ②35歳以上③14年以上米国に居住――と定める。憲法と連邦法に矛盾がある場合は憲法が優先されるなどの理由から、仮にトランプ氏が有罪になっても2024年の次期大統領選に出馬できないと解釈するのは難しいとの見方がある。

トランプ氏は8日の声明で「民主党リベラル派の攻撃だ」と主張。トランプ前政権を支えたポンペオ前国務長官も「司法省とFBIによる(捜査権限の)政治的武器化は恥ずべきものだ」と同調した。バイデン政権と対峙するため共和党支持層に結束を促す狙いが透ける。

マッカーシー氏は声明で「司法省は(捜査権限を)武器として使って政治利用する耐えがたい領域に達した」と非難。中間選挙で共和党が下院で過半数を奪還すれば、捜査の妥当性を検証すると表明した。ガーランド司法長官を名指しし「関連書類を保管し、日程をあけておけ」と警告した。

トランプ前政権で副大統領を務めたペンス氏は9日、ツイッターで「党派に偏った司法省の姿に対処しなければならない」と主張。司法制度に対する国民の信頼を損なう行動だと批判し、ガーランド氏がただちに説明責任を果たすよう求めた。

米ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官は9日の記者会見で「司法省は独立して捜査する」と語り、事前連絡はなかったと説明。バイデン大統領も説明を受けていなかったと強調した。民主党のペロシ下院議長も同日の米NBC番組で、家宅捜索について報道を見て初めて知ったと明言した。

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