Amazonが株式分割 自社株買いは最大100億ドルに

【シリコンバレー=奥平和行】米アマゾン・ドット・コムは9日、株式分割を実施すると発表した。5月27日時点の株主が保有する1株を20株にする。同社の株式分割は約23年ぶりになる。自社株買いの限度額を現行の50億ドル(約5800億円)から100億ドルに引き上げることも併せて公表し、株主を重視する姿勢を強めている。
株式分割により最低投資金額を引き下げ、より多くの投資家を呼び込むことを狙っているもようだ。一連の取り組みが好感され、9日の米株式市場の時間外取引でアマゾンの株価は一時、同日終値よりも9%超上昇した。
新型コロナウイルスの流行に伴いインターネット通信販売の需要が拡大し、アマゾンの業績を押し上げた。一方、足元では多くの地域でコロナの影響が薄くなり、同社の成長も鈍化していた。さらにガソリン高が物流費の上昇につながる懸念も強まっている。アマゾンの株価は年初に比べ、20%近く下落していた。
米IT(情報技術)業界ではアップルが2020年8月、1株を4株にする株式分割を実施して株価の上昇につなげた。グーグルの持ち株会社であるアルファベットも今年2月、7月に1株を20株に分割する計画を公表している。アマゾンは1999年9月に1株を2株に分割したのが最後だった。
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