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トランプ氏なきTwitter、成長踊り場 新興SNSに勢い

ツイッターのドーシー氏はトランプ氏の永久追放について、直後に「危険な前例だ」と表現していた=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】米ツイッターの成長が踊り場にさしかかっている。9日発表した2020年10~12月期決算は増収増益となったものの、同社が経営指標として重視する利用者数は頭打ち傾向が強まった。暴力を扇動する投稿が規約に違反したとしてトランプ前米大統領を自社サービスから締め出した結果、米保守派の「ツイッター離れ」を招く可能性も出ている。

9日に発表した20年10~12月期の売上高は前年同期比28%増の12億8900万㌦(約1300億円)、最終利益は87%増の2億2200万㌦だった。新型コロナウイルスに伴うネット通販の市場拡大が追い風となり、収益の柱であるネット広告事業が伸びた。

同社が経営指標として重視する、広告を閲覧した1日当たりの利用者数は期中平均で1億9200万人だった。前年同期比では27%増えたものの、直前の四半期に比べると伸び率は3%にとどまった。米国内に限ると利用者数は20年4~6月期以降、ほぼ横ばいが続いている。

トランプ前政権の発足当初に1億900万人だったツイッターの利用者数は、過去4年でおよそ2倍に増えた。1月8日にアカウントを永久停止する直前には、トランプ氏は利用者全体の約半数に相当する8800万人を超えるフォロワーを抱えていた。物議を醸す発言を繰り返す「トランプ劇場」が、過去4年間のツイッターの普及をけん引した側面がある。

ツイッターはトランプ氏のアカウントを永久停止した後も、21年1月末までの利用者数の伸び率は過去4年の平均(約17%)を上回ったと説明する。ただ、20年半ばに前年同期比で30%を超えることもあった利用者数の伸び率は、21年は10%台に落ち込む見通し。成長ペースの鈍化は否めない。

9日に開いたアナリスト向け説明会で、ジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は「長期的にはより健全な会話の促進に焦点を当てている」と従来の立場を繰り返した。同氏がトランプ氏について言及することはなかったが、SNS上の偽ニュース対策など強化することで新たな利用者をひき付ける考えを強調した。

米国では20年4月にサービスが始まった招待制の音声チャットアプリ「クラブハウス」が人気となるなど、ネット企業による消費者の「可処分時間」の奪い合いが激しさを増している。米サブスタックなどが手掛ける誰でも簡単にメールマガジンを発行できるサービスも浸透しつつある。

ツイッターやフェイスブックなどのSNSが無料のサービスで成長を遂げたのと対照的に、クラブハウスやサブスタックはネット広告を排除した有料サービスによって収益を確保する方針とみられている。消費者のプライバシー意識の高まりに配慮した動きで、個人情報をネット広告に活用するSNS大手に対するアンチテーゼだと捉える向きもある。

トランプ氏のアカウントを永久停止した直後には、ツイッターの判断に不満を持つ米共和党の保守派を中心に検閲の少ない新興SNS「パーラー」に利用者が流れる動きも表面化した。その後、パーラーは暴動をあおる投稿を放置したとして1月10日深夜に米アマゾン・ドット・コムにクラウド接続を止められ、サービスが提供できない状態が続いている。

米共和党の大口献金者が主導するパーラー運営会社の取締役会は、トランプ支持者らのためのSNSとして再開させる考えとみられている。トランプ氏も「近く我々自身のプラットフォームを立ち上げる可能性を探っている」と発言している。ツイッターが引いた大統領経験者の永久追放という引き金が、米国内のSNS利用者の分断を招く可能性もある。

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