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パソコンOS、GoogleがApple超え 「非教育」主戦場に

(更新)
クロームOSを搭載したパソコンを紹介する米グーグル幹部(9日、ウェブ中継画面)

【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルの基本ソフト(OS)「クロームOS」を搭載したパソコンが間もなく発売から10年の節目を迎える。2020年には米アップルの「マックOS」を抜き、初めて世界シェアで2位に入った。新型コロナウイルスの影響で需要が急増した在宅学習用を突破口として、個人や企業など「非教育」への浸透を目指す。

「当初は2台目の機器という位置づけだったが、過去数年は『1台目』へのシフトが顕著になっている」。グーグルが9日にインターネットを通じて配信した10周年を記念するイベントで、クロームOS部門で製品・UX責任者を務めるジョン・マレティス氏は説明した。

同社はオープンソースソフト「リナックス」を活用してクロームOSを開発し、韓国サムスン電子が11年6月に対応パソコン「クロームブック」の第1弾を発売した。ブラウザー(ネット閲覧ソフト)で各種ソフトを使い、「クラウドコンピューティングの利用が当たり前になる」(当時のエリック・シュミット最高経営責任者)ことを想定した。

パソコンのOSは米マイクロソフトの「ウィンドウズ」が圧倒的なシェアを握るが、クロームOSは対応パソコンが比較的安価なことや管理が容易なことを売り物に、まず米国で学校への納入を増やした。米IDCによると16年に4%台だった世界シェアを20年に10.8%まで拡大。初めてマックOS(7.5%)を上回った。

グーグルが9日から新機能「Phone Hub」の提供を始め、パソコンからスマートフォンを操作できるようにした。

新型コロナの流行により在宅学習に使うパソコンの需要が高まったことが追い風になり、日本でも小学生や中学生に1人1台のパソコンを配備する「GIGAスクール構想」の前倒しにより需要が拡大している。シャープやNECといった日本ブランドの製品も登場し、グーグル幹部によると日本の約半数の自治体や教育委員会がクロームブックの採用を決めた。

今後の成長を占うのが個人や企業のニーズの取り込みだ。9日にはクロームOS「バージョン89」の提供を始め、スマートフォンの機能をパソコンから利用できる「Phone Hub(フォーン・ハブ)」や、周辺の機器と画像などのファイルを容易に共有できる「Nearby Share(ニアーバイ・シェア)」などの機能を加えた。

フォーン・ハブによりホーム画面の制御画面からメッセージの送受信や電池残量の確認などが可能になり、直前に閲覧したウェブサイトの続きをパソコンで見ることもできる。ニアーバイ・シェアはWi-Fiやブルートゥースを使う。同様の機能ではアップルが先行しているが、幅広いメーカーの製品に対応することなどを訴えて個人の取り込みを強める。

企業にはウィンドウズからの乗り換えを促す。社員の各種ソフトの利用状況を診断してクロームOSへの移行が可能か判定して通知するソフトの一般提供を9日に始めた。2020年12月には旧式のパソコンにクロームOSを搭載して「再生」する技術を提供する米ネバーウエアを買収しており、9日には同社との連携を強める方針を示した。

パソコンの世界出荷台数は12年から減り続け、19年にようやく増加に転じた。IDCによると20年は前年比13%増の3億230万台だった。クロームOSの躍進は新型コロナの後押しを受けた「追い風参考記録」に終わるのか、勢いは続くのか。得意とする教育市場の足場固めに加え、個人や企業の取り込みに向けた施策の真価が問われることになりそうだ。

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