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ディズニー動画配信、3カ月で1440万人増 12月に値上げ

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【シリコンバレー=佐藤浩実】米ウォルト・ディズニーは10日、インターネット動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の会員数が4〜6月期に1440万人増えたと明らかにした。スター・ウォーズやマーベルスタジオの新作配信に合わせて欧州などで展開地域を広げ、世界の会員数は1億5000万人を超えた。12月に米国で広告付きのプランを始め、同時に従来プランを38%値上げする方針も示した。

4〜6月期の決算に合わせ、動画配信サービスの状況を開示した。「Hulu」やスポーツ配信の「ESPNプラス」も含めた動画配信事業の売上高は前年同期比19%増の50億5800万ドル(約6700億円)。すべての動画配信の会員数を合わせると2億2100万人で、ネットフリックス(6月末で2億2067万人)をわずかに超えた。

3カ月で1440万人にのぼるディズニープラスの会員増はアナリストの予想(1000万人)を大きく上回る水準だった。成長を支えたのは有力な独自作品と展開地域の拡大だ。

例えば5月末にスター・ウォーズ派生の連読ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」を公開し、6月22日には映画館での興行収入が9億ドルを上回る「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」も見られるようにした。段階的に作品を加え、視聴者のつなぎ留めをはかった。

地域の拡大も寄与した。5月に南アフリカ共和国でサービスを始めたほか、6月にはトルコやポーランドなどにも展開地域を広げた。ディズニーによれば「展開している市場(国と地域の合計)」は3カ月で50あまり増え、150を超えた。

24年の目標は1500万人下げ

一方で、24年に2億3000万~2億6000万人としていた会員目標を2億1500万~2億4500万人に見直した。1500万人の引き下げとなる。インドで人気が高いクリケットのプロリーグ「インディアン・プレミアリーグ(IPL)」の配信権獲得を見送ったことで、既存の権利が切れる23年以降に同国の会員数が伸び悩むのが主な理由だ。

ディズニーは10日、米国で広告を組み合わせた動画配信のプランを12月に始める方針も示した。合わせて価格体系を変更し、広告のない従来のプランを現在の月8ドルから11ドルに値上げする。広告付きプランは8ドルとなる。米国外での値上げの方針は明らかにしていない。

クリスティン・マッカーシー最高財務責任者(CFO)は説明会で、24年までに動画配信事業を「黒字化する」と明言した。4~6月期は10億6100万ドルの営業赤字だったが、収益を生みにくいクリケットの配信見送りや広告付きプランの導入に伴う値上げが寄与するとみる。足元の業績が予想を上回ったことや収益重視の姿勢を好感し、10日の米株式市場でディズニー株は終値を約7%上回って推移している。

テーマパークや映画を含めた全社の売上高は前年同期比26%増の215億400万ドル(約2兆8600億円)で、純利益は同53%増の14億900万ドルだった。

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