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米、ウクライナ教訓に台湾防衛 「西側団結」中国に警告

【ワシントン=坂口幸裕】米国防総省高官は9日の米議会で、ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえた教訓として台湾の防衛力の強化が必要だと主張した。米欧や日本などと協調したロシアへの金融・経済制裁に触れ「西側諸国と国際社会が団結する力は太平洋の潜在的な侵略者への重要なシグナルになる」と述べ、中国に警告した。

ラトナー米国防次官補(インド太平洋安全保障担当)が議会下院の軍事委員会の公聴会で「ウクライナ紛争の教訓は、台湾による独自の能力開発が重要だということだ」と明言した。「これは台湾の防衛と抑止力に関するもので、米国の協力で取り組んでいる」と語った。

バイデン米政権は、積極的に台湾への軍事支援をしてきたトランプ前政権の路線を継承した。2021年8月に自走砲や弾薬補給車、22年2月にはミサイル防衛システムを維持・保全する関連装置やサービスの台湾への売却をそれぞれ承認した。米国で1979年に成立した台湾関係法は米国が台湾の自衛力強化を支援すると定めている。

ウクライナ情勢を踏まえたラトナー氏の発言は、中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が固執する台湾との統一を阻止するため抑止力を高める意思を明確にした。米国が台湾情勢と関連づけるのは、予想を上回るウクライナ側の抵抗だ。「ロシアはウクライナを過小評価していた」(ヘインズ米国家情報長官)と分析する。

ロシアは侵攻後、ただちにウクライナの首都キエフを制圧し、同国軍を圧倒する計画だったが、この短期決戦に失敗したという見方が広がっている。台湾も自衛力を高めれば、中国が武力行使に踏み切りにくくなるというのが米側の見立てだ。

米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は8日の議会証言で、結束した米欧の対応やウクライナ側の抵抗などに触れ「習氏らは驚き、動揺しているだろう」と話した。

ロシアの苦戦につながっている要因のひとつは米欧によるウクライナへの武器の供与だ。ウクライナ軍は各国から得た対戦車ミサイル「ジャベリン」などを前線で展開している。地対空ミサイル「スティンガー」は最大8キロメートルの射程で、空からの攻撃に備える。ロシア軍はウクライナの制空権を十分に確保できていないとみられる。

8日の下院情報特別委員会では議員から「ウクライナへの米欧の対応をみて中国は台湾侵攻の計画に消極的になっているか」との質問が出た。ヘインズ氏は「米欧の結束力だけでなく制裁の影響も中国にとって重要だ。中国がどのような教訓を学ぶのか興味深い」と発言した。

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