NYダウ最高値 448ドル高、金融株が上昇
(更新)

【ニューヨーク=後藤達也】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比448ドル23セント(1.30%)高の3万4870ドル16セントと大幅反発し、過去最高値を更新した。8日まで低下していた米長期金利が上昇に転じ、金融株や景気敏感株を中心に株価が上昇した。IT(情報技術)株の多いナスダック総合指数も最高値を更新した。
米銀JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスが3%以上上昇した。米金利が上昇したことで、利ざや縮小の懸念が和らいだ。原油などエネルギー価格が上昇し、シェブロンなど素材株やキャタピラーも上昇が目立った。ダウ平均が過去最高値をつけるのは2日以来、1週間ぶりで、昨年末比の上昇率は14%となった。
8日にかけては米10年債利回りが1.25%と2月以来の低水準にまで下がったが、9日には1.36%へと上昇した。8日の株式市場では金利低下を機に景気の先行きへの不安から株を売る動きがあった。年後半の米景気は4~6月と比べ回復の勢いが鈍るとの見方が増えているが、経済再開も進んでおり、今週は利益確定売りと押し目買いが交錯した。
バイデン米大統領は9日、企業の競争を促すため大企業への監視強化を求める大統領令に署名したが、米主要企業の株価への影響は限定的だった。
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