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コスタリカ大統領「TPP加盟めざす」 年内にも協議へ

【ロサンゼルス=清水孝輔】中米コスタリカのロドリゴ・チャベス大統領は米ロサンゼルスで日本経済新聞の取材に応じ、「環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟をめざす」と明らかにした。年内にも加盟申請に向けた協議に入りたい考えだ。コスタリカからアジアへの医療器具や農産物の輸出拡大に意欲を示した。

チャベス氏は「できるだけ早くTPPに加盟したい。可能なら年内にも(関係国と)協議したい」と述べた。「貿易相にTPPへの加盟に向けた作業に着手するように伝えた」と明らかにしたうえで「成長のペースが速いアジアに我々の商品を輸出したい」と強調した。

中南米ではメキシコ、チリ、ペルーがTPPに加盟している。2021年12月には南米エクアドルもTPPへの加盟を申請したと表明した。TPPをめぐっては英国や中国、台湾が加盟をめざすなど動きが活発になっている。

コスタリカは人口約500万人の小国で、バナナやコーヒーなど農業が主力産業だ。1人当たりの国内総生産(GDP)は約1万1000ドル(約150万円)で、グアテマラやエルサルバドルの倍以上だ。民主主義が定着して政情も安定している。近年は義肢やカテーテルなどの医療器具の生産や開発に力を入れている。

コスタリカは貿易額のうち約4割を米国が占めており、輸出先の多様化を狙う。日本はコスタリカから主に精密機器やコーヒーを輸入しており、コスタリカには自動車や鉄鋼を輸出している。TPP加盟が実現すれば、対日貿易にも追い風になる。

チャベス氏は4月に大統領選の決選投票で当選し、5月8日に大統領に就任した。同氏は「私が就任した日からコスタリカの通商政策は変わった。これからは全ての政府と貿易を拡大したい」と話した。9日には南米エクアドルと自由貿易協定(FTA)の交渉に入ると発表しており、中南米の他の国とも通商協定の交渉を進める方針だ。

コスタリカは5月、チャベス氏の就任直後に身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」の感染で緊急事態宣言を発動した。4月に財務省が感染し、オンライン納税などのシステムが使えなくなった。「Conti(コンティ)」という攻撃者グループがコスタリカの政府機関から流出したとされる資料を公開していた。

チャベス氏は「全ての国がリスクに直面している」と警鐘を鳴らした。そのうえで「コスタリカはサイバー攻撃からシステムを守るために十分に投資してこなかった。同じことが二度と起きないようにする」と述べた。スペイン政府や米政府とサイバー対策の強化で連携していると話した。

コスタリカは07年に外交関係を結んでいた台湾と断交し、中国と国交を結んだ。その後中米では台湾と断交する動きが広がった。チャベス氏は対中政策について「中国と結んでいる国交を継続する」と述べた。

Rodrigo Chaves 米オハイオ州立大博士(経済学)。世界銀行で27年間勤務し、インドネシア担当カントリー・ディレクターなどを歴任。19~20年にカルロス・アルバラド前政権のもとで財務相を務めた。5月8日から現職。

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