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米「選挙結果消してはならぬ」 ミャンマーに民主化要求

ミャンマー政変(2)

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ホワイトハウスでミャンマーへの制裁を発表するバイデン米大統領(10日)=ロイター

国軍がクーデターを実行したミャンマーへの制裁を米大統領ジョー・バイデンが表明した10日、米国務省高官は下院外交委員会向けの電話説明会で詰問された。「日本やシンガポールから、どうやって制裁措置を引き出そうとしているのか」

国軍に圧力をかけるにはミャンマーに多額を投資するアジア各国の協力が欠かせない。だが、高官は具体的な説明を避けた。

クーデターは大統領に就任したばかりのバイデンの外交にとって最初の試練になった。

4日には国務省最大の外交レセプション会場「ベンジャミン・フランクリン」での初の外交演説で「信頼性の高い選挙結果を消し去ろうとしてはならない」と訴えた。しかし、11日公表の制裁内容は対象を国軍に限り、市民への悪影響を避けた。

ミャンマーを追い詰めれば中国に接近するというリスクに配慮した面もあるが、国際協調への転換を強調するなかで友好国との連携の難しさもにじむ。

バイデン政権はなお万全でない。アジア担当の国務次官補は不在で、駐ミャンマー米大使は2020年12月に就任したばかりだ。米政府当局者はメディアに対し、政権内部が「カオス(混沌)」の状態だと話した。

日本は対応に苦慮する。バイデンが制裁を発表する直前の10日、ミャンマー情勢について電話をかけてきた米国務長官アントニー・ブリンケンに外相の茂木敏充は「役割を分担しよう」と持ちかけた。制裁には踏み込まなかった。周囲には「父親と母親の役割は違う」と漏らす。

日本は戦後、東南アジア諸国で最も早く平和条約と賠償協定を結んだミャンマーに1954年から経済支援を実施。軍事政権下でも米欧と一線を画し、経済協力を維持した。

欧州連合(EU)も慎重だ。欧州議会は11日、加盟国にミャンマーへの制裁を求める決議を採択した。外交安全保障上級代表(外相)ジョセップ・ボレルは9日の演説で「すべての選択肢を検討する」と述べていた。22日の外相理事会ではミャンマー情勢を協議する見通しだが、EU高官は「まずは圧力を強めたい」と話すだけだ。

背景には、国軍が拘束するノーベル平和賞受賞者アウン・サン・スー・チーが少数民族ロヒンギャの保護に熱心でないとの不信感がある。決議には次の一文が加えられた。「スー・チーはなおビルマ(ミャンマー)の人々の(民主化の)象徴だ」(敬称略)

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ミャンマー国軍は2021年2月1日、全土に非常事態を宣言し、国家の全権を掌握したと表明しました。 アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権を転覆したクーデター。なぜ起きたのでしょうか。 最新ニュースはこちら。

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