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米消費者物価、5月8.6%上昇 約40年ぶり水準更新

(更新)

【ワシントン=高見浩輔】米労働省が10日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸び率が8.6%となった。3月の8.5%をさらに上回り、40年5カ月ぶりの水準となった。新型コロナウイルス禍で控えていた旅行などの「リベンジ消費」も夏にかけて物価を押し上げ、インフレは高止まりしそうだ。米連邦準備理事会(FRB)による急ピッチの利上げが長引く可能性もある。

上昇率は第2次石油危機後にインフレが長期化し、8.9%だった1981年12月以来の高水準となった。5月の市場予想は8.3%だった。

変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数の上昇率は6.0%で、前月の6.2%を下回った。コア指数を前月比でみると4月と同じ0.6%の上昇で、市場予想を上回った。インフレの根強さを示す結果となった。

エネルギーは前年同月比で34.6%、食品は10.1%上昇した。住居費が5.5%値上がりするなどサービス価格も全般的に上昇した。貧困層を中心に生活を圧迫するインフレへの不満がますます高まる公算が大きい。米国は人手不足が深刻で、失業者1人に対して約2人分の求人がある状態だ。賃金の上昇が加速すれば、インフレの制御はますます困難になる。

米インフレ長期化も FRBは大幅利上げ急ぐ


米消費者物価指数(CPI)の前年同月比の上昇率が5月に8.6%と約40年ぶりの水準を更新した。モノや人手の不足とともに物価を押し上げているのが、強い個人消費だ。米連邦準備理事会(FRB)は急速な利上げを急ぐが、足元ではガソリン価格も上昇しており、高水準のインフレは長期化する公算が大きく制御は難航しそうだ。

ガソリン価格は連日、過去最高を更新している。10日には全米平均で1ガロン4.99ドルと初の5ドル台が目前に迫る。6月第1週の価格は前年同期の1.6倍だ。伸び率はロシアによるウクライナ侵攻の直後の3月を上回る。

商品市場で原油先物が5月から上昇していることに加え、米国内の需要も強い。背景にあるのが「リベンジ消費」だ。首都ワシントンでウーバーを運転する女性は「今年の夏は3年ぶりに息子のいるペルーに帰る」と話す。旅費の高さも「コロナ禍で家族と会えなかった期間の長さを考えれば我慢できる」という。
4月の航空運賃は前年同月から33.3%上昇し、コロナ前の2019年4月と比べても1割以上高かった。それでも運輸保安庁(TSA)によると、空港でのチェックポイント通過者は1日211万人と前年同月の1.5倍に上る。5月までのメジャーリーグの観客動員数も1試合平均2.5万人と前年平均の1.3倍だ。

最近は人手不足を背景にしたサービス価格の上昇が目立つ。獣医は診察などにかかる価格が4月に前年同月比9.8%上昇した。ランドリー代は10.3%高い。どちらも統計を遡れる1998年12月以降で最高を更新した。

FRBのパウエル議長は5~7月に3カ月連続で0.5%の大幅利上げを実施する方針を強く示唆している。市場の関心は既にその先の9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に移りつつある。

前年同月比で伸びが縮んだコア指数も、前月比での上昇率は4月から横ばいだ。インフレがピークを越えたかどうか、いつ越えるのかという判断は金融政策の判断に直結する可能性がある。

この点についてパウエル氏も含めたFRB高官は慎重な発言に終始している。ブレイナード副議長は物価上昇率が明確にピークを越えたという証拠がなければ9月も「同じ幅(0.5%)の利上げを続けることが適切になるかもしれない」との考えを示している。

市場はFRBが14~15日のFOMC後に公表する政策金利の見通しに注目する。会合後の記者会見でのパウエル氏の発言も関心の的だ。

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