米GMと韓国LGの電池合弁工場 全米自動車労組傘下に

【ニューヨーク=堀田隆文】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)と韓国のLGエネルギーソリューションが共同出資する米中西部オハイオ州の車載電池工場で労働組合が結成され、全米自動車労組(UAW)に加入した。工場で働く従業員による投票の結果が9日明らかになった。
米国では、政府、企業とも電気自動車(EV)に力を注ぐなか、電池工場など新たにできるEV関連拠点で労組結成が進むかどうかに注目が集まっている。会員基盤の強化を図るUAWは結成を後押ししている。
GMなどのオハイオ州の工場では、このほど従業員による投票が実施され、圧倒的多数がUAWへの加入に賛成した。同工場はすでに稼働を始めていた。
UAWのレイ・カリー会長は9日の声明で「新たなメンバーを歓迎する」と述べた。自動車業界でEV化が進むなか、電池工場のような新拠点で働く従業員も自分たちの価値について考え始めていると説明。今回の投票結果は、こうした従業員が賃金などを巡り、UAW加入者と同じ待遇を得たいと望んでいることを示していると強調した。
電池工場は米国で建設ラッシュが続く見通しだ。GMとLGエネが別に2カ所を設けることが決まっているほか、フォード・モーターも韓国SKグループと組み、南部ケンタッキー州などで生産を始める。GMなどのオハイオ州工場の動きをうけ、他の生産拠点でも組合結成に向けた機運が高まる可能性がある。
経営側にとっては、関連工場での労組結成は人件費などがかさむ要因になりかねない。EV大手テスラなど新興メーカーの生産拠点では労組の組織化は進んでいない。