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ゴールドマン元社員、禁錮10年 1MDB事件で米判決

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【ニューヨーク=斉藤雄太】米東部ニューヨーク州の連邦地方裁判所は9日、マレーシアの政府系ファンド「1MDB」を舞台にした巨額の不正流用事件で贈収賄やマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとして、米金融大手ゴールドマン・サックス元社員のロジャー・ウン被告に禁錮10年の有罪判決を言い渡した。

米司法省は2018年11月、資金洗浄や贈賄の共謀など海外腐敗行為防止法違反に関する3件の罪状でウン被告を起訴した。同被告は19年にマレーシアから米国に引き渡され、22年4月にニューヨーク市の連邦陪審ですべての罪状において有罪と評決されていた。

米司法当局の資料によると、1MDBでは数十億ドルの資金洗浄が行われ、個人の不動産や宝飾品の購入、賄賂などに不正に資金が使われた。ゴールドマンは12〜13年に1MDBの債券を引き受け、総額6億ドル(約816億円)の手数料収入を得た。ウン被告は事件当時、ゴールドマンのマレーシアでの投資銀行部門トップを務め、上司だったティム・ライスナー被告とともに資金の調達と流用に加担した疑いが持たれていた。

国際的な金融スキャンダルとなった1MDB事件では、ゴールドマンが関係する各国当局に和解金を支払い、個人の責任追及に焦点が移っている。

事件に関与したマレーシアのナジブ元首相は22年8月にマレーシアの最高裁で禁錮刑が確定し、判決直後に収監された。元ゴールドマンのライスナー被告は罪を認め、判決を控えている。1MDBを実質的に仕切っていた華人実業家のジョー・ロー被告は現在も逃走中という。

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