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米フィンテックのソーファイ、地銀買収へ 銀行業に参入

【ニューヨーク=大島有美子】オンライン融資仲介の米ソーシャル・ファイナンス(ソーファイ)は9日、米西部カリフォルニア州の地銀ゴールデン・パシフィック・バンク(GPB)を買収することで合意したと発表した。当局の認可を経て2021年中にも完了する。ソーファイは既存の銀行の買収を通じて銀行業に乗り出す。

買収額は2230万ドル(約24億円)を見込む。買収完了後はGPBの名前を「ソーファイ・バンク」と改名し、銀行として預金受け入れや貸し出しを実施する。スマートフォンを使った融資仲介のノウハウを生かし、個人向けを軸とする方針だ。GPBは1億5000万ドルの資産を持ち、サクラメント市に3つの支店を持つ。買収後もGPBが実施してきた中小企業への融資や店舗は維持する。

GPBは連邦政府機関の米通貨監督庁(OCC)の管轄下にある。ソーファイは融資仲介や資金管理のサービスを提供し、180万人の会員がいる。これまで自身が連邦政府の銀行免許を取得しようとしてきたが、既に免許を持つ銀行自体を買収する方が近道と考えた。

銀行免許を持てば、資本規制など厳しい管理を受ける代わりに、預金を通じて低コストの資金調達が可能になるほか、クレジットカードの発行やローンの提供など全米で事業展開ができる。ソーファイのように、金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック企業が、連邦政府の銀行免許取得を目指す動きが広がっている。OCCは20年7月、モバイル銀のバーロ・マネーに免許を出した。

新型コロナウイルスの拡大でネット通販が伸びたことなどを受け、モバイル銀行は決済を軸に利用が広がっており、陣容拡大を急ぐ。ソーファイは1月、成長加速のため特別買収目的会社(SPAC)を通じてニューヨーク証券取引所に上場すると発表した。企業評価額は約87億ドルの見通しだ。

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