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米上院ゲームストップ公聴会、開示強化や決済短縮が焦点

ゲームストップ株騒動は市場ルール見直し議論に発展=ロイター

【ニューヨーク=宮本岳則】米議会上院で9日、「ゲームストップ株騒動」についての公聴会が開かれた。ロビンフッド・マーケッツなどインターネット証券が個人投資家の売買注文を超高速取引業者(HFT)に回送し、その見返りにリベートを得ている慣行について、専門家からは開示強化を求める声が出た。取引成立から株式の受け渡しまでの決済期間を1日短縮することの是非も焦点となった。

米議会上院の銀行委員会は、研究者や元当局者を招いて公聴会を開いた。1月下旬、オンライン掲示板「レディット」でやり取りした個人投資家が、ロビンフッドなどを通じて一斉に買いを入れた。空売りの買い戻しを巻き込み、一部銘柄が急騰した。ロビンフッドが個人からの買い注文を一時停止したことなども問題視され、市場ルールの見直し議論に発展している。米下院は2月中旬に、同社のブラッド・テネフ最高経営責任者(CEO)ら当事者を招いて公聴会を開いた。

下院の公聴会に続き、ロビンフッドの事業モデルが論点となった。同社の収入の柱はHFTなどマーケットメーカー(値付け業者)から得るリベートだ。ロビンフッドは個人の注文を証券取引所で執行せず、HFTに回送する。HFTは内部で取引を成立させ、利ざやの一部をリベートの形でロビンフッドに還元している。リベート慣行は「ペイメント・フォー・オーダーフロー(PFOF)」と呼ばれ、ロビンフッドは取引手数料無料の原資にしている。

ロビンフッドの注文回送先がシタデル・セキュリティーズに偏っており、個人投資家にとって最良の価格で注文が執行されているのか不透明だとの声が出ている。ロビンフッドとシタデルは取引所を通じた取引よりも良い価格で売り買いができていると主張する。公聴会に出席したデューク大学のジーナ・ゲイル・フレッチャー教授は「価格改善効果についての情報が少ない。開示の拡充が必要だ」と指摘。元米証券取引委員会(SEC)委員のマイケル・ピオワー氏も同調した。

決済期間の見直しについても議員から質問が出た。現行の決済システムでは取引成立日から2営業日後に株式や代金のやりとりが行われている。証券決済を手掛ける米証券保管振替機関(DTCC)は現行より1日短縮した翌営業日の決済を提案しているほか、ロビンフッドは即時決済の導入を主張する。ピオワー氏はSECに対し、短縮化の費用と便益を分析した上で「意見を広く募るべきだ」と提言した。

決済期間の長さはゲームストップ騒動で問題になった。1月下旬、個人の売買急増や株価の乱高下を受けてDTCCはロビンフッドに対し、確実な決済を担保する「預託金」の積み増しを求めた。同社は資金不足に直面し、一部銘柄の買い注文受け付けを一時停止することで、積み増し額の減額を認めてもらった。決済期間の短縮によって、証券や代金を受け取れないなどといった「カウンターパーティーリスク」を抑えられるほか、預託金を減らせる可能性がある。

今後はSECの対応が焦点になる。バイデン大統領が米SEC委員長に起用したゲーリー・ゲンスラー元米商品先物取引委員会(CFTC)委員長は2日、上院の指名公聴会を終えた。月内にも議会で承認されるとみられている。ゲンスラー氏は公聴会で「取引を頻繁にするよう仕向ける無料アプリや、その裏にあるPFOFについて市場への影響を調査する」と述べていた。

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