米連邦議会 上院・下院の2院制、上院に人事案の承認権
きょうのことば

▼米連邦議会 米国の議会は上院と下院の2院制で成り立つ。法案は議員が提出し、両院の関係する委員会に送られる。公聴会で様々な意見を聞いたうえで採決する。それぞれの本会議でも可決すれば、両院で協議する。上院と下院の案を調整し、改めて本会議で審議・可決する仕組みだ。その後に大統領が署名すれば法律ができる。

上院は大統領が指名した政府高官や裁判所判事の人事を認めるかどうかの権限を持つ。人事は過半数で通る。法案を通すには投票規則の関係から60票が必要になる。いずれの党が多数派を握っても、60議席を上回らない限り野党の協力が要る。民主党はバイデン政権の気候変動対策を通すため、特定の条件を満たした予算法案に限って過半数でも可決できる措置を使った。

下院は大統領の弾劾訴追を求めることができたり、上院より先に歳入法案を審議できたりする。2021年1月の連邦議会占拠事件を巡り、下院は民主党主導で特別調査委員会を設置し、トランプ前大統領の責任追及を進めていた。共和党が多数派となった場合、調査は終了する見通しだ。
予算や法案の成立には両院での可決が必要だ。大統領の所属政党と議会の多数派が異なる「ねじれ」の状態になると、様々な政策を迅速に推進するのが難しくなる。大統領には議会が可決した法案や議決を差し戻し、成立を阻止する拒否権が与えられている。議会が覆すには上下両院の3分の2以上の再可決が求められる。ねじれの状態では大統領が議会の協力が得られなくても権限を行使できる大統領令などを多用する可能性がある。
