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世界の成長、5.9%に下げ IMFが21年予測を下方修正

(更新)
国際通貨基金(IMF)は全体として成長に下振れリスクがあるとの懸念を表明=ロイター

【ワシントン=大越匡洋】国際通貨基金(IMF)は12日改定した世界経済見通しで2021年の実質成長率の見通しを5.9%と前回7月の予測から0.1ポイント引き下げた。新型コロナウイルスの感染再拡大による供給制約が響き、全体として成長に下振れリスクがあるとの懸念を表明。高インフレが長引く可能性にも警戒感を示した。

世界経済の回復は「勢いが弱まった」と指摘した。夏のデルタ型の流行で自動車関連の部材不足など供給網の目詰まりが広がり、高インフレが続く。IMFは22年に供給制約が和らぎ、インフレも落ち着くとの見方を基本とするが、原油など国際商品価格が上昇する現状を踏まえ「インフレの先行きに大きな不確実性がある」と強調した。

21年に5.9%成長を実現すれば現行のIMF統計で遡れる1980年以降で最も高い伸びとなるものの、先行きの不透明感は増している。IMFは世界経済の成長率は22年に4.9%、中期的に3.3%程度に減速するとみている。

供給制約が強く響くのは、財政出動とワクチン普及で春以降、需要を急回復させた米国だ。経済再開の効果のずれこみや足元の消費の弱さから、21年の成長率は前回から1ポイントの大幅な下方修正で6%を見込む一方、22年は0.3ポイント引き上げ、5.2%とした。

緊急事態宣言が長引いた日本の21年の成長率見通しは前回より0.4ポイント低い2.4%、逆に経済活動の再開が進むユーロ圏は0.4ポイント高い5%成長を見込む。先進国の21年の成長見通しは前回から0.4ポイント低い5.2%となる見通しだ。

新興・途上国では中国の成長が鈍る。公共投資が想定より小さいとして21、22年とも0.1ポイント下方修正し、それぞれ8%、5.6%を見込む。中国当局による不動産市場の引き締めで中国恒大集団の経営危機といった懸念もある。IMFは「中国の不動産部門の無秩序な債務再編」をリスクに挙げた。成長はさらに鈍る恐れがある。

一方、産油国などは原油高で成長が上振れし、新興・途上国全体の21年の成長率見通しは前回より0.1ポイント高い6.4%と予測した。ワクチン普及の低迷と財政力の弱さから低所得国の経済回復が遅れる「回復の分岐」は深刻だ。IMFはコロナ禍前の経済成長の軌道への回復が22年中にも見込めるのは先進国だけだと分析している。

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