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中国の対米購入増えず 「第1段階合意」達成57%どまり

【ワシントン=鳳山太成】米国のトランプ前政権が中国との貿易交渉で結んだ「第1段階の合意」で、中国が約束した米国製品・サービスの購入拡大は実現せず、目標額にもはるかにおよばなかったことが8日、分かった。2020~21年の米国の対中輸出額は目標の57%にとどまっており、合意の順守を求めてきたバイデン政権は不満を強めている。

両国が20年1月に署名した第1段階合意には、米国の対中輸出を20~21年に計2000億ドル(約23兆円)以上増やすとする約束が盛り込まれた。米商務省が8日に発表した21年の貿易統計をもとに、米ピーターソン国際経済研究所(PIIE)が達成度合いの分析結果を同日まとめた。

目標は貿易戦争が始まる前の17年を基準値としており、対象品目の対中輸出は1512億ドルだった。中国は20年に767億ドル、21年に1233億ドル、計2000億ドルを17年の基準値から積み増すと約束した。

目標達成には対中輸出額を20年に2279億ドル、21年に2745億ドルへと増やす必要があった。実際は20年が1344億ドル、21年が1544億ドルだった。2年間合計で5024億ドルが目標だったが、57%に相当する2888億ドルにとどまった。

17年基準値と比べると、20年は168億ドル下回り、21年は32億ドル上回った。2年間で計136億ドル下回った。計2000億ドル増やすどころか、1ドルも増えなかった。

米国の主力品である自動車や航空機の対中輸出はそれぞれ目標の39%、18%にとどまった。自動車メーカーが中国の報復関税を避けるため製造拠点を米国外に移したことが響いた。米ボーイングの機体事故で売り上げが落ち込んだ。

サービスの輸出は新型コロナウイルス下の移動制限で観光や出張などが激減した。エネルギーでは液化天然ガス(LNG)が目標を上回ったものの、原油が伸びなかった。農産品は豚肉やトウモロコシなどが達成したが、全体に占める比率が小さかった。

PIIEのチャド・ボウン氏は対中輸出が増えなかった一因として「2年にわたる貿易戦争で米国の輸出者が(一度切れた)取引関係を取り戻すのに苦労した」と指摘した。貿易戦争の爪痕は大きく、数値目標による「管理貿易」の限界が浮き彫りになった。

バイデン政権は第1段階合意を引き継ぎ、中国に順守するよう求めてきた。合意には知的財産権の保護や金融市場の開放なども含む。米通商代表部(USTR)は「中国が約束を守っていない」と批判しており、米中貿易交渉で引き続き懸案となる。

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